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水瀬名雪 vs 鈴木寛子
おおさか@つちへん氏による戦前評
水瀬名雪 vs 鈴木寛子
ニセ者だよもん氏による観戦記
<戦前評 Aブロック第1回戦第8試合>

さて、Aブロックの取りを飾る試合は、これもある意味で異色の
取り合わせとなった。
片や、鍵の代表作『Kanon』のメインヒロイン、水瀬名雪。
かたや葉の代表作『To Heart』より限りなく端役の、鈴木寛子。
鈴木寛子に至っては本編中では名前さえ無く、トレーディング
カード発売に際して命名されたというほどの脇役振りである。
両者の知名度、人気、実績、支持層の差はかなりのものがあると
予想される。
しかしここで想起されるのは、脇役キャラの「あまり薄っぺらい
設定故の大逆転」である。これは第5試合の美和子×夕香戦や、
第7試合のさいか×シンディ戦で見られた葉鍵板故の、また
最萌トーナメント故の逆転劇であった。今回の鈴木寛子にも
それはあてはまるだろうか? 残念ながら、それは否である。
なぜならば、前2試合は脇キャラ同士の戦いであったため、
1枚の画像がその趨勢を決するという事態がありえた。しかし、
曲がりなりにも名雪はヒロイン。しかもギャルゲーでは主席
であるところの幼馴染みキャラである。この1点のみを鑑みても
寛子の圧倒的不利は免れえない。

もう1点、寛子に不利な点を挙げるとするならば、それは
「中途半端な情報が与えられている」ということである。
しのさいかが第7試合で勝利を収めたのは、「立ちグラフィック
さえ存在しない」という点によるところが大きい。すなわち、
「6さい」、「ボイスデータ」という限られた情報がかえって
板住人の想像力や妄想を刺激し、下手に立ち絵や設定が有る以上の
効果を生みだしてしまったのである。しかしこれはまさに
「顔のないツキ」とでも言うべきものであり、彼女に限って
それがプラスの要因として働いたもので、同様のキャラでも
さいか以上の効果が期待できるとは思えない。さらには、寛子の
ビジュアルが『雫』の藍原瑞穂に酷似していることも、マイナスの
要因として挙げられるかもしれない。その理由についてはあえて
割愛する。
つまるところ鈴木寛子の圧倒的不利は動かしがたく、彼女が
ヒロインクラスのキャラに対抗しうるには、よほどの萌えを刺激する
強力な援護がなければならないだろう。

一方、水瀬名雪に関しても盤石とは言い難い一面がある。
しかしこれは彼女自身の責任ではなく、ひとえに「葉鍵板的に」という
注釈付きの要因ではあるのだが。
既知の方も多いように、名雪スレは以前からそのキャラクター像に
対するイメージが大きく揺れており、それはキャラスレの是非さえも
問うものとなっている。また、その影響もあって、昨今の名雪スレは
他のキャラスレほどの盛り上がりが見られず、それどころか敗退を
望む声さえあるほどである。住人見解の不一致、また下手を打てば
荒れ模様とさえなりかねない空気。名雪陣営の抱える不安要素は、
メインヒロインという立場を考えても何か不吉なものを払拭しきれない。
そのため、大方の予想では大差での名雪勝利となっている。しかし
あるいは大量リードではなく、僅差や奇跡の大逆転もありうるかも
しれない。しかし奇跡はあくまで起こらないからこそ「奇跡」で
あるのだが。
運営側でも一悶着もあり、今回は試験的に「3行レス」という特別
ルールが付加されることとなった。今後の試合運びを占ううえでも
見逃せない一戦であることは、他の試合と変わることはないだろう。
願わくば、平穏な試合展開を。

 <一回戦・Aブロック第八試合  ◎水瀬名雪 vs 鈴木寛子 観戦記>

前試合の余りの白熱ぶりに端を発し、投票に3行程度の萌えコメントを義務付ける「3行ルール」が
試行的に適用されることとなったこの試合。
葉鍵板ではやや特殊な評価を受けているが、本来鍵系5本の指に入るであろう実力者の水瀬名雪に対するは、
PS版ToHeartにおいて1カットのみ登場する鈴木寛子である。
戦前の予想では、知名度やオフィシャルな萌え要素において遥かに上回る名雪陣営有利との声が多く聞かれたが、
現実の試合でもその優位が遺憾なく発揮される形となった。

3行ルールに対する戸惑いの中、試合は開始される。序盤から着々と得票を重ねていく名雪陣営。
寛子陣営は眼鏡・ショート・ブルマといったポイント及びそれらが総体として醸し出す雫のヒロイン藍原瑞穂との
類似性等をアピールして防戦に努めるが、なかなか得票に結びつかない。試合開始後40分頃にようやく寛子陣営から
本格的なSSが撃ち込まれるが、その頃既に45対9と5倍もの大差がついていた。

日付とスレが変わった後も試合は名雪陣営のペースでマターリと進行。AM2:30頃の仮集計では74対25と差は広がっていた。
AM3:20には名雪陣営からCANONシリーズを核とするエロ画像集が投下され、傍観していた浮動層の一部も名雪陣営に傾く。
こうなると最早試合の流れは動かしようがなく、その後3行ルール絡みでしばしば荒れる場面が見られたものの、
試合自体はAM4:00で86対29、AM6:00で94対31、AM8:00で101対35、AM10:00で109対36、PM3:00で116対42、
PM6:00で127対45の仮集計結果が示す通り淡々と進んだ。
PM9:00を回って終盤を迎えても、目立った動きとしては名雪陣営から吉野家コピペ、ダメ推しエロ画像集および
やや方向性の異なる爆弾画像がそれぞれ投下されたくらいで、一部観客の関心は既に次のカードへと移る中、
151対50のトリプルスコアで試合は終了を迎えた。

暫定ルールの下で浮動層の参加が限定的だったこの試合は、地力の差がくっきりと勝敗に反映され、
一部に「盛り上りを欠く」との声もあった。
寛子陣営において頽勢を挽回しようとの動きがやや不活発であったのは惜しまれるが、
優勝候補の一角を相手に厳正なルールの下での50票という数字は、十分賞賛に値しよう。

 <一回戦・Aブロック第八試合  水瀬名雪 vs 鈴木寛子 分析>

マターリムードに終始したこの試合は、これまでの試合に比べ面白味が少なかったと言えばそうも言える。
しかし、何より名雪キャラスレや暫定ルールといった不安要素が大事につながらなかったことに、
胸を撫で下ろす関係者も多いことだろう。

100票近い差をつけられた寛子陣営。もとより最大の要因はキャラ格差であろうが、核となって陣営を
纏め上げる勢力が無かったことも大きい。このため戦前構想されていたあかり陣営・雫陣営との連携も
不調に終わり、SS等数少ない実弾の投下も孤立無援となった。また、暫定ルールが浮動層の取り込みを
難しくしたことが、一発逆転の最後の望みを絶ってしまった感も有る。
今カードは色々な意味で特異な状況下にあるものの、いわゆるマイナーヒロイン陣営にとって
一層の戦略強化を促す実例の一つとなったことは間違い無い。

一方の名雪陣営は、終わってみれば順当に2回戦にコマを進めた、というところだろう。
しかし、厳しい見方をすれば、今回の暫定ルールの下では固定ファンの絶対数が多い方が勝つのは当然であり、
アンチとの相殺も減る分名雪にとっては神風だったとさえ考えられる。
実弾の投下をセーブするのか全開で行くのかもはっきりせず、その点ではキャラスレの機能不全という名雪陣営の
最大の弱点が早くも露呈していた。
2回戦の相手はしのさいか。鍵対鍵となる点で本来の力で戦いやすくはあるが、ロリ派の期待を一身に集める
さいかの爆発力が決して侮れないことは前カードで証明済みである。
早急に自陣営を建て直し、万全の状態で次戦に臨むことを期待したい。

なお、今カードにおいて試行的に適用された3行ルールは、次のカード以降は当面適用されないこととなった点を、
最後に付け加えておく。
gnuplot氏作成グラフ


寛子50−名雪151で名雪の勝利!!