戻る

神岸あかり vs 遠野美凪
勝手に改説氏による観戦記
<二回戦・Aブロック第1試合  △  神岸あかり vs ▲▲ 遠野美凪  観戦記>

 最萌トーナメントはここより二回戦に入る。 
 その第1試合は、いきなりの超弩級ヒロイン対決となった。 
 東鳩より神岸あかり。AIRより遠野美凪。今更説明不要なぐらいメジャーな二人である。 
 しかも、直前に行われていた一回戦最終試合が東鳩のセリオvsAIRの神奈。僅か一時間 
のインターバルで、両陣営を覆い尽くした激戦の余韻が冷めようはずがない。 
 一回戦の全日程終了を祝ってしばしマターリした会場。しかし名無しさんとリング穴氏 
により、絶妙なタイミングで投下されたR74-795&796の二回戦開始コールと共に、雰囲気 
は一気に戦闘態勢に突入していった。 

 試合開始前にあかり陣営入場シーン投下。直後に怒濤の投票が始まった。ただ、何故か 
サーバが不安定で両陣営とも接続に苦労する一幕が見られたりも。 
 開始早々、画像を多数投下する美凪陣営。美尻と呼ばれただけあってそっち方面からも 
多数の投票を獲得する。しかしあかり陣営も、支援は出遅れたが得票はきっちりと確保。 
さすがは葉鍵板における幼なじみの原点といった所か。 
 開始30分でスレ移動しても、未だ投票の勢い衰えず。その分支援画像の密度が薄くなり、 
既出支援の再掲載について議論が出たりもする。しかし画像掲示板の物量不足もあってか。 
一回戦で得た絵をまとめ貼りする者は現れなかった。 
 午前二時を回ったあたりから画像も相対的に増えてきたが、それよりも序盤で目立った 
のは美凪陣営の気合いであった。みちるが敗れ、神奈も直前の試合で涙をのんだが為に、 
己のあらん限りの萌えを美凪に託すAIRスキーの魂の叫びが四方八方から上がる。 
 あかり陣営がテレビ版やPS版など様々な角度から萌えを語り、「このゲームからこの 
世界に入った」者達の票をもかき集めているのに、それを更に上回るパワーを見せる美凪。 
結局、未明の戦いは美凪が制し、一時は90票以上もの差を付けてのけた。 

 夜の間は圧倒的に美凪ペースだった試合も、日が昇るに連れてあかり陣営に傾き出す。 
朝の中間発表を見て、予想外の差を付けられたあかり陣営のテンションが急上昇したため 
だろう。別にキャラの名前は関係ない、と思う。 
 R75-612〜614に出た「諸君、私は……」形式の煽り文、これがあかり陣営に火をつける。 
画像支援は美凪の方が多い、はね〜〜氏の連作SSも美凪の支援、なのにあかり投票者が 
次々に語るコメントの尋常でない熱さがそれを覆い隠し、場をあかりペースに持ち込んで 
しまった。 
 そして時が進むに連れ、次第に数を増すあかり画像。美凪も画像で押し返そうとするが、 
なかなかペースを握り返せず、物量の差から少しずつ勢いを奪われていく。 
 この時間帯、萌えと感動は違う! との理由で美凪よりあかりに入れる者もちらほら。 
これには見解の相違もあろうが、少なくともその決断を否定する事は出来まい。 
 そもあれ朝6時の時点では91票だった両者の差は、9時には76票、12時には57票、15時 
に42票と確実に詰まる。と言うか昼間なのにスレの流れる速度が落ちない。恐るべし。 

 更にスレが移動してR76、この辺になると119の◆KannaC8o氏や200の名無しさんのよう 
に両者へ支援を投下する者も出だす。と同時に現在の票数を気にする者も増えるが、場は 
剣呑とする気配無し。美凪はこの試合の翌日に誕生日、加えてこの時期に誕生日を迎える 
ヒロインが多い事から、その方面の話で盛り上がったりもした。 
 R76-273、美凪派氏が東鳩あかり編をプレイして轟沈したとの報告が入り、美凪陣営に 
動揺が走る。その後も画像支援が確実に行われるあかり陣営。こうも大規模な戦いになる 
と、絶対的なプレイ人口の差、歴史に裏打ちされた支援物資の差がボディブローのように 
効いてくる。そして19時過ぎ、R76-405〜407にあかり支援の煽り文再掲載。ここでも同調 
投票者を生む。 

 19時の最終中間発表ではまだ美凪が30票ほどリードしていたが、勢いは完全にあかりに 
あった。逃げる美凪、追うあかり、両陣営とももはや支援投下のタイミングなど考えてる 
余裕がない事に気付いたのか、ここから渾身のスパート合戦が始まる。 
 タイミング良く新たな画像掲示板が稼働開始。次々投下される画像、なだれ込む投票。 
そんな中で2時から寝てない籠。氏はあかり萌えを叫び続け、499〜505では美凪ハッピー 
バースデーSSが貼られ、一方では両陣営から多重防止を呼びかける支援を投下されて、 
一行レス投稿に戒めのツッコミが入る。 
 チェき氏はあかりAAを投下し、「雪の大気」は連載され、はね〜〜氏は新作を書き上げ、 
5121小隊氏は所持弾薬を全て撃ち尽くす覚悟で突進し、安全委員会はトラップ警告に奔走 
し、気が付けばまたもスレが移ってR77。 
 ここまで来たらもう何がなんだか、という感じである。フィーバーしまくる両陣営だが、 
それでも荒れない。と言うか誰かが荒そうとしても、投票の前に成す術無く押し流される。 
わき目もふらずに己の萌えに一直線の全参加者、その底力恐るべし。 
 結局、R77はラスト40分で335もレスが付いてようやく試合終了。 
 最終結果は769vs693。想像を絶する票数を積み上げて、あかりが美凪を土壇場で 
うっちゃった。


<二回戦・Aブロック第1試合  △  神岸あかり vs ▲▲ 遠野美凪  分析>

 唖然、呆然、愕然。そして感動。 
 2回戦の第一試合は足かけ4スレにも渡って繰り広げられ、永遠に越えられないのでは 
ないか、と言われていた楓vs七瀬の猫漢戦の得票数をいきなりぶっちぎった。 
 メインヒロイン級の試合であるだけに熱戦を予想した者は多いだろうが、ここまで来る 
とは誰が想像しただろうか。 
 恐ろしいのは平日でありながら、昼間にも確実に得票を得ている事である。この二人、 
ここまで人々の萌えを喚起する存在だったのか? 
 ……あえて言うが、否。 
 この試合はキャラの魅力だけでは作れなかった。両陣営の支援層が存分に見せてくれた 
己の萌え、キャラへの愛があってこそである。この名勝負を演出してくれた全ての支援者、 
全ての参加者に、ここで深く感謝の意を表したい。 

 試合展開そのものは、ある意味単調だったかも知れない。 
 しかしスレを読み直すと決してそうではない事が分かるだろう。全体を見ると平均して 
いるように思えても、その中から一部を切り取れば、そこには確かにドラマがある。 
 序盤に史上空前の猛ダッシュを見せた美凪陣営。 
 3時間で237票という数値がいかに飛び抜けているかは、他の試合のグラフを見れば 
分かるだろう。残念ながら途中で弾幕が薄れ、最後の最後に押し出されてしまったが、鍵 
陣営の中では比較的弱いと思われていたAIR陣営の底力を見せつける事となった。 
 もしこの一戦が冬コミの後、物資の補給を得てから行われたらどうなったか。今更言う 
のも野暮だが、実際問題として敗因らしい敗因がそのぐらいしか思い浮かばない。勝負は 
時の運、その運が今回は美凪に味方しなかったという所か。 
 画像はあるだけ撃ち尽くし、渾身のSS支援も数多く投下され、遠野美凪という少女の 
魅力の全てを伝えんと奮闘する姿は、多くの人の心に何かを残した事だろう。 

 中盤以降を制し、じりじりと差を詰めて最後に爆発したあかり陣営。その合計得票数を 
叩き出した最大の要因は、「萌えの原点・東鳩」のイメージ戦略が見事成功した事にある 
のではなかろうか。 
 非常に特徴的だったのは、その支援に「演説」が多かった事だ。投票者の心の底に残る 
過去の記憶、その中で埋もれている東鳩萌えの心を掘り起こさんとする試みである。SS 
や画像に加えて繰り広げられたこの支援手段は今回、見事なまでの成功を収めた。 
 それでなくとも知名度は葉鍵の全ゲーム中最高レベルの東鳩、加えてキャラが幼なじみ 
の原点とも言えるあかりである。一度思い出させてしまえばもうこっちの物、あとは過去 
を思い出した者達の萌えコメントや支援を待てばいい。 
 伝統の蓄積あってこその技であった。が、そこまでやらねば美凪に勝てなかったという 
意味でもある。中盤以降のあかり陣営の必死の訴えを引き出したのは、それに値する強敵 
(と書いて「とも」と読む)があればこそ。やはりこれは名勝負であった。 

 あかりの次の試合の相手は葉陣営の新星、こみパの大庭詠美である。そもそも葉同士と 
いう事で今回程の一致団結は難しいだろうし、キャラへの思い入れという点では詠美陣営 
も相当な物があるから簡単には切り崩せまい。 
 更に言えば、あかり陣営は今回の一戦で弾薬をほぼ撃ち尽くした事だろう。冬コミでの 
新型弾薬の補給は恐らく詠美陣営に分があるから、そう考えると今回の圧倒的な得票数に 
浮かれるのは少々早いと思われる。 
 過去の思い出を発掘する手法は、一度思い出させたら次に同じ事をやってもインパクト 
は薄れる。次の試合にいかなる形であかり萌えの心意気を見せるか、期待したい。 
 いずれにしろ今は、最高の試合を見せてくれた二人に、乾杯。 

gnuplot氏作成グラフ


あかり769−美凪693であかりの勝利!!