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観月マナ vs  サラ
おおさか@つちへん氏による戦前評
観月マナ vs  サラ
解説屋だよもん氏による観戦記
<戦前評 Bブロック第1回戦第1試合>

さて、Bブロックの開幕である。
このブロックは、Aブロック以上に対戦毎の密度差が激しく、
特に前半と後半で顕著である。
ヒロイン>サブヒロイン>脇役>チョイ役という等式は
そうそう崩せるものではなく、下位のキャラが上位に打ち
勝つためには、不足しがちな設定や物語を萌えで補うしかない。
マイナーキャラ、そしてそのキャラスレ住人にとっては、
まさに試練と呼んで差し支えのないトーナメントである。
まあ、それは試練であると共に祭りでもあるのだが。

さて、第1試合である。共に葉のヒロイン。
黎明期である『フィルスノーン』から、サラ・フリート。
ある意味絶頂期であった頃の『WHITE ALBUM』から、観月マナ。
盗賊のおやびんでムチ使いであるサラは、いわゆる「お姉」系な
キャラだと言える。しかしRPGというオブラートにくるまれた
レズゲーのフィルスでは、ティリアの初めてを努めそのまま
惚れてしまうという、お約束な一面も持っている。また、
盗賊でありながらかなりの良識派でもあるだろう。
しかしそれゆえに、キャラクターとして薄味になっている感が
ある。どっちつかずなあやふやさ。某所での「トンヌラ」なる
サマルトリアな呼称は、まさにその扱いを規定しているものなのかも
しれない。
何より、キャラスレはおろか総合スレさえ存在しないという
フィルスのマイナーさ加減が、その前途を象徴しているように
思われてならない。猪行こで復刻されたとはいえ、まだまだ知名度は
低いままである。この試合があかりの如くプラスの方向に働けば
良いのだが。

一方、観月マナはツインテール、こしゃまっくれた性格、そして
攻撃的なお子さまという、後にみちるが踏襲するキャラ造形である。
しかもふきふきというリーフ伊丹伝統芸の継承者。キャラクターとして
葉鍵板的に死角は少なく、圧倒的な試合展開が期待できる。しかし
WAは物語としての完成度は高いもののゲーム性に難があり、また
高彦達哉に心酔していた旧来のファンが乖離を始める一因ともなった
過渡期の作品でもある。VNの正当継承作か否かについては未だに
諸説有り、光り輝いていた葉が少しずつ目減りを始めた印象は、冬の
記憶と共に付いて回るかもしれない。何より、WA系のキャラスレが
沈黙とまではゆかないものの静けさの中にあるという点からも、WA
ファンというものはキャラ萌えではない何かに価値を見出しているのかも
しれないと思えてくる。これがだーはら効果だろうか。
ひょっとしたらこの対決は、前試合である名雪×寛子戦のように奇妙な
静寂の中で行われることになるかもしれない。
Aブロックの初戦があのような激戦であった反面、Bブロックは最終
2試合が凄絶になると予想される。そうしてみれば、静かな始まりもまた
良いものではないだろうか。
<一回戦・Bブロック第一試合 △観月マナ vs  サラ 観戦記>

いよいよ最萌トーナメントもBブロック突入。
圧倒的優勢が予想されるのは、自スレに熱狂的なファン集団を抱える上、葉鍵板における
信者組織の最右翼であるホワルバ・うだる信者の支援も得られる観月マナ。
対するサラは、葉鍵板最弱の支持母体しか持たないと思われるフィルスノーンからのエントリー。
キャラスレはおろか作品スレすら持たないという状況で、水無月絵に全ての望みを託す状態。

開始するや否や、マナ陣営からのマナへの熱い想いをぶちまけた長文アジ演説が炸裂。
それに続く熱いメッセージと無修正画像群で、圧倒的なマナ優勢の流れを作り上げる。
対するサラ陣営はキャラのイメージ浸透に手一杯の状況。
1:00の第一回集計では32対5とマナ陣営が大きくリード、2:00の第二回集計では45対7と差が広がる。
ここで勝利を確信したか、攻撃の手を休めるマナ陣営。しかしサラ陣営も手詰まりのままであり、
4:30には60対11、8:00には72対11と順調に票を上積みするマナ陣営と、全く伸ばせないサラ陣営。

しかしここに来てサラ陣営も210氏によるサラ凌辱SSを投入し、一方的な流れをやや引き戻す。
ここから水無月絵・下川シナリオなどサラ陣営からのアピールも相次ぎ、12:00には81対15と
やや票を上積みする。しかしまた両陣営とも沈黙。こうなると地力で勝るマナ陣営の優位は明らかで、
15:00には95対16、19:00の最終中間発表では107対19と、差は淡々と広がる一方。
終了30分前になって210氏のサラ凌辱SSが完結し、多大な反響を呼ぶが既に時遅し。

結局、序盤以降は静かな展開に終始したこの一戦は、136対32でマナ陣営の圧勝に終わった。

総投票数が200票を下回る、マターリとした展開になったこの対戦。
その原因としては、勝敗が序盤で決したためか、両陣営とも無党派層へのアピールが活発でなく、
飛び交った画像・SS・シチュなどの実弾の数も過去最低クラスであった点が考えられる。
もちろん、それを理由にこの一戦がその価値を減じる事はないが、同じようにワンサイドゲームと
なった早苗×詠美戦、ノブコ×香奈子戦と比較すると、作品間・キャラスレ間のカラーの違いが
くっきりと浮き彫りになり、非常に面白いところである。

陣営間のカラーの違いが試合に及ぼす影響の大きさが浮き彫りになった、実に興味深い一戦であった。

<一回戦・Bブロック第一試合 △観月マナ vs  サラ 分析>

Aブロック第六試合のノブコ戦を見捨てるような格好となった WA・うだる信者にとっては
事実上の初戦となったこの一戦。勝敗の行方そのものよりも、その戦いっぷりに注目が集まった。

完勝を収めたマナ陣営については、勝つべき試合をきっちりとものにしたという印象が強い。
事前にマナスレにて入念な作戦を練った上で、序盤に圧倒的な萌え力を叩き込んで勢いを掴み、
相手の反撃がないと見るやエネルギーを温存。以後はキャラ・作品の人気・知名度を生かした
横綱相撲に徹するという危なげのなさ。その合理的な試合運びには、熱さとクールさが同居し、
作品を惜しみない愛を注ぎつつも、同時に一歩引いた醒めた視点からの評価もせずにはいられない
といったWA信者の特徴が、実に良く現われていたように思われる。
同じように葉鍵板ではマイナーとされている作品でも、熱くその魅力を語り、少しでも多くの人に
プレイしてもらいたい気持ちが先立つMOON,陣営、作品への圧倒的な自信に溢れ、抑えた調子で想いを
呼び起こそうとする雫陣営などと比較すると、それぞれのカラーが実に色濃く感じられた。

ただ、相手が格下の場合はこれでいいものの、対等以上の相手との対戦の場合に、
今日の試合で散見されたある種の醒めた空気が、どのように勝敗に影響するかが注目される。

完敗の結果に終わったサラ陣営は、拠点となるスレッドを持たないことが大きかったと思われる。
開始早々からあらゆる点で後手後手に回り、キャラのイメージを無党派層に上手く伝えられず、
レズ・水無月キャラ・しぇんむーシナリオといった無党派層へのアピールポイントが固まった時には
既に勝敗は決しており、結果として何も出来なかったという印象が強い。
ただ、圧倒的不利の状況下で繰り出された210氏のサラ凌辱SSには、最高の賛辞を捧げたいと思う。

いいところのない敗北に終わった今回の試合だったが、これである程度固まったフィルスノーンの
イメージを、明後日に控えたティリア対月島瑠璃子戦においてどう生かせるのかに注目したい。
gnuplot氏作成グラフ


マナ136−サラ32でマナの勝利!!