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牧部なつみ vs 高瀬瑞希
怪説者だよもん氏による観戦記
<一回戦・Bブロック第四試合 牧部なつみ vs 高瀬瑞希 観戦記>

Bブロック一回戦は昨日、今日、明日と葉同士の対戦が続く。葉としては古典に属する作品の
ヒロイン同士で戦われた昨日とはうって変わって、今回対戦する両ヒロインはともに葉の新世代と
呼ばれる作品からの出場である。
牧部なつみは「まじかる☆アンティーク」の隠しキャラ。作品の人気、作中の位置付けが
ともに微妙で力量が読めない彼女を迎え撃つのは、アニメ・DC化で知らぬ者ぞなき「こみパ」の
メインヒロイン、みずきちこと高瀬瑞希である。
大方の予想は、作品の勢いとメインヒロインの意地を背負う瑞希有利。しかし、なつみは
あまり知られていないが巨匠高橋龍也の手がけた葉の正統ヒロインというべき存在であり、
熱いファンが口々に「ゲームをやった人には解る」と語るその魅力を一般にアピールできれば、
大逆転も不可能ではない。

試合は開始早々から強烈な乱打戦となった。瑞希のもう一つの姿・CMピーチのオフィシャル画像が
アップされると思えば、なつみ陣営からはもはや恒例となったわつき屋CGが張られ、それを瑞希陣営が
旦那さん氏による萌えシチュSSで撃ち返すといった具合に、開始後約2時間もの間実弾が激しく飛び交い、
両陣営とも浮動票の流れを牽制する。
しかし、浮動票の囲い込みが同等であれば地力に勝る瑞希陣営が優位に立つのもまた事実である。
仮集計結果は00:30頃に27対14、1:00には大きく差が開いて41対16、2:30前には61対33と、一貫して
ほぼダブルスコア。
豊富な物量を誇る瑞希陣営に対し、手持ちの弾も底を付いてきたなつみ陣営には次第に手詰まり感が
漂い始める。

ここで、戦局の打開を図りたいなつみ陣営はSSによる反撃へと戦術を転換する。
ほかほか仙人・駄文短文・こころとココロ各氏らのSSが逐次戦場に投入され、その趣向を凝らした
内容が中立層を確実に引き寄せるが、その間にも巨乳派が次々と瑞希陣営に結集。なつみ陣営は
応援の熱さでは瑞希陣営をしのぐかの勢いを見せながらも、なかなか反撃の糸口を掴めなかった。
仮集計結果は4:00に72対41、9:00に95対54、12:00に105対60と、両者の差が縮まらないまま時間が過ぎていく。
午後に入っても、こころとココロ氏がなつみ・ココロの漫才シリーズで気を吐き続けるなつみ陣営に対し、
瑞希陣営は16:30〜17:00にかけてエロ小品や萌えSSを投入する等対応が速く、16:00で114対65、
19:00で133対78パンと一時も試合の主導権を譲らない。
ところが19:00を回ったところで、なつみ陣営の一人がさりげなく口にした「最後の高橋キャラ」の
一言に会場全体が激しく反応する。高橋票に危機感を募らせる瑞希陣営から画像集や旦那さん作妄想シチュ
SSを追加で投入されれば、なつみ陣営からは萌えSS、更には母乳SSまで飛び出す有様で、終盤へ来て
会場は俄然熱気を帯びた。その後も長編SS「みずきち豊胸計画」や相手の十八番を奪う玲子も交えた
3Pものが瑞希陣営から投入される等、全くテンションの下がらない展開のまま試合終了。
最終的には180票を獲得した瑞希に軍配が上がったが、対するなつみも120票と大いに健闘した。

何より印象深かったのは序盤の両者の猛ラッシュだった。特に大作こみパのメインヒロインという特権を
利用して執拗なまでに画像をアップする瑞希陣営の攻勢は圧巻と言えよう。
最後までペースを落とさない瑞希をとうとう捉えることができなかったなつみ陣営だったが、強力な助っ人を
呼び込んで未プレイ層にも鮮烈な印象を残した。特に、なかなか好転しない戦況にもめげず幾度となく周囲に
笑いとなつみへの萌えを提供したこころとココロ氏には、一観戦者として謝辞を捧げたい。

「結局、最後は乳なのか・・・」試合後会場を去る観客のそんなつぶやきが耳に残った。



<一回戦・Bブロック第四試合 牧部なつみ vs 高瀬瑞希 分析>

本トーナメントも10試合以上を消化し、開始直後から猛ダッシュをかけ、劣勢と見れば中盤以降
手作りの凝った援護で追撃、という戦術が確立されてきたようだ。
この試合にもその図式が当てはまるが、週明けでしかも前日はイベント、という条件は
知名度や物量で大きなハンデを負うなつみ陣営にとって酷なものであった。この試合が
もし休日に行われていれば、深夜以降の援護射撃の効用もまた違ったものとなっていたのでは
ないだろうか。

終始快調にとばした瑞希陣営は、この試合であれだけの物量を投下しながらも、更に強力な
武器をまだまだ温存していることを匂わせている。試合がヒートアップした終盤の追い込み時こそ
さすがに強力な実弾を次々と撃ち込んだが、序盤は既にある程度出まわっている画像を宣材として
効果的に使い、SSも要所で単発的に撃ち込むに留める、そしてあとは彼女の性格や肢体に魅かれた
票が自然に入ってくるのを待つ、という姿勢には、次戦を見据えた冷静な戦略が感じられた。
他のこみパヒロイン陣営との共闘態勢も組まれつつあり、まさに死角無しといったところだが、
2回戦で当たるのは前日全く衰えのない人気を見せつけたベテラン月島瑠璃子だ。彼女もまた
横綱相撲で1回戦を勝ち抜いてきており、到底今回のような位押しの通用する相手ではない。
同じ葉のヒロインとはいえ、「水無月&高橋・折戸サウンド・電波」に対し「東京開発室・
巨乳・コスプレ」と全くの対照をなす両者の対決はそれだけで興味深いが、勝者がBブロックの
決勝進出へ向けて大きく弾みをつけるという意味でも、重要な一戦になるだろう。

こみパ勢は、メイン格のキャラではこれで詠美に続き2連勝。今試合でも瑞希以外のヒロイン陣営から
しばしば応援が寄せられた。こみパ各ヒロイン陣営は戦前予想での評価が総じて低いことに不満を
持っていると伝えられるが、彼らはその悔しさをバネに結束できるのか。今試合のさなかに総合スレも
再建され、試合会場外での動きも面白くなりそうだ。

一方のなつみ陣営は出てくるSSがどれも好評、攻略データのアップなど斬新な援護も飛び出して、
盛り上がりに関しては瑞希陣営と互角以上の戦いぶりをみせたが、知名度や蓄積の差を挽回しきれ
なかった。「面白かったんだが、勝てなかった」という構図は前日のティリア陣営と共通する。
有力SS職人という思わぬ援軍を得てむしろ予想以上の健闘を示したとも言えそうだが、
やはり惜しむべきは「正統高橋キャラ」であることを十分に活かしきれなかった点だろう。

今回なつみに対して「プレイしてないから分からない」というコメントが数多く寄せられたことは、
なつみ最大の武器が不発に終わったことを意味するとともに、スフィーら他のまじアン勢の前途に
暗いものを感じさせる。
しかしその中で、なつみ陣営の呼び掛けに応え、試合が開始されてからまじアンをインストールして
プレイを始めるという強者が多数現れたことは、一条の光明と言える。
幸いまじアンのメインキャラが次に試合に登場するのはEブロック以降。なつみ旋風の遺したものを
有効に使うことができれば、活路は見えてくるだろう。

gnuplot氏作成グラフ


なつみ120−瑞希180で瑞希の勝利!!