来栖川芹香 vs 倉田佐祐理 解説者だよもん氏による観戦記 |
|
<一回戦・Bブロック第八試合 ○▲来栖川芹香 vs ▲○倉田佐祐理 観戦記> お嬢様、先輩、おっとり、魔法少女と同属の揃ったキャラ同士の葉鍵新旧対決となったこの一戦。 前試合の七瀬留美×柏木楓戦と並ぶ一回戦屈指の好カードなだけに、前評判は五分と五分。 両陣営とも綾香・舞という対になるヒロイン陣営からの支援が予想されているのも同じであり、 どちらが勝ってもおかしくない接戦となることが予想された。 文字通りの死闘となった前試合の余韻覚めやらぬままに、試合開始のゴングが鳴らされる。 もはや恒例となったわつき屋画像の応酬の後、芹香陣営が掟破りのGTH画像などで猛攻をかけると、 佐祐理陣営も負けず劣らずの大量の画像で反撃、両陣営によってばら撒かれた画像の数は、 開始後30分だけで50発を超え、のっけから戦局は激しい物量戦の様相を呈する。 そして、ほぼ互角の形勢に加え、前試合の集計の遅れによって中間集計発表が遅れたこともあってか、 両陣営とも息をつく余裕を見出せないままに、激しい萌えの応酬が繰り広げられる。 しかし、両陣営の支持層の重なりもあってか殺伐としたムードはいっさいなし。 前試合とは対照的に、活発な、それでいで妙になごやかな激戦が続けられる。 ところが1:30の第一回中間集計発表において、93対160と予想外の大差で佐祐理陣営が リードを奪っている事が判明。戦場に衝撃が走る。 そして、意気上がる佐祐理陣営と逆襲を図る芹香陣営の画像実弾の応酬はますますエスカレート。 特に芹香陣営では、開始以来一定のペースで良質画像を放出してきた松山くん氏の活躍が目立つ。 が、佐祐理陣営に傾いた流れは止めきれず、3:00の中間集計発表では108対203と更に差が広がる。 松山くん氏を筆頭とする芹香陣営の猛射に対し、佐祐理陣営も豊富な弾薬による反撃を展開。 4:00の時点で佐祐理陣営が消費した画像弾薬だけで100発以上、芹香陣営もそれと同等以上の 画像弾薬を投入するという空前の物量戦となるも、依然、両陣営の砲火の応酬は続けられる。 そして6:00の集計では123対213と差が詰まるも、松山くん氏の活動がついに止まった芹香陣営に対し、 両陣営を通じてほぼ初めての本格的文章ネタ「佐祐理さん体で勝負です!」を投入する佐祐理陣営。 再び芹香陣営に流れが傾くかと思われたが、支援に来た綾香陣営による超大型エロ画像の 投下などによって、芹香陣営も一歩も引かぬ構え。 結局、12:00の集計では151対260と、両陣営とも上積み票では大差ない形勢が続く。 既に前夜の画像はほぼ全て流れ去るほどの砲撃戦のなか、15:00には164対280とやや佐祐理陣営優勢。 しかし芹香陣営も、松山くん氏の戦線復帰などにより再び流れを引き戻す。 19:00の最終中間集計発表では194対316と、佐祐理陣営が100票程度のリードのまま戦局は推移。 終盤戦、両陣営とも最後の力を振り絞っての激しい砲撃の続くなか、佐祐理陣営からはSS・シチュも 投入され始めるが、芹香陣営も先発キャラのアドバンテージを生かした画像群で応酬。 そして、最後まで続けられた奇妙に落ち着いた熱戦は、310対413で佐祐理陣営の勝利に終わった。 とにかく一貫して和やかな印象の中、画像の応酬中心に繰り広げられたこの一戦。 異常に加熱した雰囲気の中で、テキスト中心の肉弾戦が展開された前試合とは好対照の試合となった。 たとえ同属対決という事情があったにせよ、勝利に執着するあまりに相手陣営の中傷に走ることなく、 自陣営の萌えのみを追求した両陣営の姿勢は大いに称えられて然るべきだろう。 双方の健闘を称えあう両陣営の姿が印象的な、萌えを競うことの意味を教えられた一戦であった。 <一回戦・Bブロック第八試合 ○▲来栖川芹香 vs ▲○倉田佐祐理 分析> 組み合わせ発表直後から、七瀬留美×柏木楓戦と並ぶ一回戦屈指の好カードと言われてきたこの試合。 その空前絶後の死闘となった前試合とは、あらゆる意味で対照的な一戦となった。 前述の通り、両者は静と動の違いこそあれ、ほぼ立ち位置を等しくするキャラクター。 となると葉鍵対決、新旧世代対決を前面に押し出し、対決ムードを煽る戦術をとることも予想された。 しかし、両陣営共にその戦術は選択しなかったことが、今回の対戦を、盛り上がりつつも 殆ど荒れないという、和気あいあいとした好ゲームとした要因の一つに挙げられるだろう。 もっとも、前日の七瀬×楓戦が荒れ模様の死闘となったために参加者が疲弊しきっていたことから、 ある種の戦い疲れによる厭戦ムードが存在した事もまた、間違いないと思われる。 このことは、前々試合のはるか×葉子戦は今回の対戦と似たような和やかな対戦に終始したのに対し、 逆に次試合であるたま×観鈴戦は荒れ気味の戦いで推移していることからも明らかだろう。 このように、荒れた試合と和やかな試合は交互に繰り返される傾向があるように思われるので、 今後の各陣営は作戦を立てる際に、自試合の前後の流れにも注目した方が良いかとも思われる。 勝利を収めた佐祐理陣営は、結局、序盤のリードを最後まで守り抜いた格好になった。 両陣営とも画像中心という基本的な戦術は大差なかっただけに、 勝因としては単純に、老舗の看板に新興の勢いが勝ったと判断するのが正しいだろう。 ただ、静の芹香に対して動の佐祐理というキャラ特性の違いから、 佐祐理陣営の方がSS・シチュなどのテキスト関係においては一日の長があったのは確かであり、 それが終盤の芹香陣営の猛追を凌ぎきるのに大きく役立ったことも間違いないところである。 また、盟友関係にある舞陣営が初戦でまさかの敗北を喫していた事から、 芹香=綾香陣営より危機感をもって本対戦に臨んでいたことも、大きな勝因となっただろう。 一応エンディングはあるとはいえ、サブヒロインであるハンデを感じさせない快勝であった。 敗北に終わった芹香陣営だが、序盤から終始セーフティリードを奪われる展開にも関わらず、 頑なに正攻法に徹しつづけたことは、大いに賞賛されて然るべきだと思われる。 ただ、長年の歴史に支えられた画像の蓄積に頼るあまり、テキスト面の弱さがあったのは否めない。 これは七瀬×楓戦でも感じられた印象だが、芹香や楓のような静的印象の強いキャラは、 佐祐理や七瀬といった動的印象の強いキャラに比べ、短期決戦での不利は否めないと思われる。 そのキャラについてよく知らないという浮遊層にキャラの魅力をアピールするにあたり、 動的ヒロインの魅力は、比較的判りやすく万人受けもしやすい傾向があるのに対し、 静的ヒロインの魅力はより微妙で、ある程度噛み砕いたアピールが必要とされることが多いだろう。 とすれば、単純な画像の撃ち合いに終始したのでは、ある程度のキャラ格差があるならいざしらず、 今回のように殆どキャラ格差がない場合には、これだけの差がついてしまうということだろう。 芹香については、伝統ある萌えキャラだけにそのための方法論も既に確立しており、 それをSSやシチュの形で浮遊層にアピールできなかった点は残念なところである。 ただ、芹香陣営に勝負への執着がさほどなかったのも確かである。 その点で、似たような温度のファン層を持ちながらも、舞陣営の敗北ゆえに負けられなかった 佐祐理陣営との勝利への執念の差が、勝敗を決したとも考えられるだろう。 勝利を収めた佐祐理陣営だが、二回戦の相手は当トーナメントに賭ける意気込みでは 他を圧するものがある七瀬陣営。勢いと言う点では相手に分があると思われる。 ただ、激戦を辛うじて制した七瀬陣営の疲弊はかなりのものがあるのに対し、 今回の戦いでなごやかな雰囲気の元、陣営の結束を深めたことは好材料となるか。 いずれにしても、Bブロックの帰趨を決めるとも言うべき決戦になるのは間違いないだろう。 惜しくも敗北した芹香陣営だが、既に陣営は綾香支援の方向で結束しているようである。 現時点での東鳩系最強のヒロインと目されている綾香だけに、 今回の経験を生かして優勝を目指すべく頑張ってもらいたいものである。 | |
gnuplot氏作成グラフ 芹香310−佐祐理413で佐祐理の勝利!! |