川口茂美 vs エルルゥ 壊説者だよもん氏による観戦記 |
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<Dブロック1回戦第4試合、川口茂美(Air)vsエルルゥ(うたわれしもの)――戦評>Dブロック第4試合は、まさに謎のベールに包まれた者同士の暗闘激突。 Airからは、ヒロイン神尾観鈴のクラスメート。なんと登場回数が、電話の向こうで2回のみ。 立ち絵すら本編に存在しない、まさに端役中の端役、川口茂美。 対するは、ゲームすら世に存在しない、 未だ設定段階の、リーフ東京が満を持しての開発中。“うたわれしもの”から、ヒロイン・エルルゥ。 こちらの設定は、立ち絵とそして、大まかなあらすじ、たったそれだけ。 完成されたAirの端役と、未完成も未完成な開発段階ゲーム“うたわれ”のヒロイン。 盛り上がりも懸念される中、この異色対決が、静かにその幕をあけた。 かに見えた序盤、なんといきなり茂美陣営の徹底アピールが場を走る。 試合開始前からのキャラ紹介に始まり、始まった途端、CGが無いはずの彼女のCGが放たれる。 しかもそれだけにはとどまらなかった。 R35-890氏の紹介による、“観鈴なき後の茂美ストーリー”。 Kanon達夫氏の茂美ソング。茂美FC、狗威両氏のシチュ等様々な支援。 これらがまさに稲妻のように、観戦者の琴線を痺れさせる。 一人のヒロインの影にいた、少女の気持ちに共感し、茂美に重ねられる票。序盤戦は完全に、茂美陣営が掌握する。 そんな中、逆風に晒されながらもR36-66氏のシチュ予想や、グリムバルツァー氏のエルルゥほのぼのエッチSS。 眼鏡萌え氏によるエルルゥエッチCGなどで、流れが変わるのを待ち続け、逆風の中、票を集め続ける。 しかしながら、一人の端役に肉付けした挙句、本編ヒロインにも劣らぬキャラ性を作り上げてしまった茂美陣営。 そこまでの偉業により生み出された流れはなかなか変わることはなく、茂美リードで進んでゆく。 さらに追い討ちをかける狗威氏のSS、R36-128氏、R36-143氏らの次から次へと出てくる茂美イメージCG、 そして、茂美についての考察がスレを飛び交い。 エルルゥ陣営もR36-154氏らの、ナコルルらになぞらえたエルルゥのアピールを試みるが、逆風の中ではさすがにつらく。 R36-183氏の、電話の向こうのみでの登場という出番を最大限に利用したテレホンエッチSSが、さらに勢いに拍車をかけて。 中盤を経て、終盤戦に突入した19:11の両者の票差は、茂美99-エルルゥ64。その差35票。 割合ゆったりとした流れの中でのこの票差。もはや茂美の勝利は決定的と思われた。 しかし、茂美ペースの中でも囁き続けられたこの言葉。 既存キャラとは比較にならぬ、エルルゥ達、未完成キャラだけが持ち得るある意味最強の武器。 “エルルゥの持つ、将来への可能性、将来への希望”。 風向きが僅かに変わり始めた。茂美ペースだったこの風が。 そして、まるで風の変わりを待っていたかのように、エルルゥ陣営、R36-289氏のエルルゥぶっ飛びSSが叩き込まれたのだ。 エルルゥの持つ“未来への風”が、これでさらに煽られる。 もともとキャラの可愛さ、キャラ萌えには定評のあるリーフ東京からの作品ということで、その炎はさらに熱く。 さらに火に油のような、エルルゥのチャームポイント、ひそかにファンも多い獣耳エッチSSが注がれて。 エルルゥの“未来への風”が、エルルゥ萌えの業火と化して、ついにスレを覆い尽くした。 この炎を消しとめんと、茂美の炎を燃やさんと、R36-183氏のSSに呼応した過去スレ333氏の茂美エッチCGが凛と立つ。 好評、反響は大きかったものの、最早完全に燃え広がった、エルルゥの炎を消すには至らず。 それでも茂美陣営は最後まで諦めず、川口浩パロディSSで、票差を守らんと歯を食いしばる。 この勢いに乗って逆転を目指すエルルゥ陣営も、R39-349氏のCG他で必死に食い下がる。 エルルゥの業火が燃え盛る中、絶対逃げ切ると走る茂美。絶対追い抜くと走るエルルゥ。 茂美125-エルルゥ128。 エルルゥが茂美に追いつき、そして僅かに追い越したのは、終了僅か1分前のことだった。 この試合、エルルゥの勝因を挙げるならば“風を活かし切ったこと”。そして、“逆風でも屈しなかった”ことだろう。 この大会、一試合は23時間の長丁場。そんな中、風の流れはしばしば変わる。 逆風の時はひたすら耐え、それでも黙々と爆薬を溜め票を集めて、頃合いと見たら爆発させる。 エルルゥ陣営の勝利の一因は、そんなところにあったのではと思う。 しかしそれでも、エルルゥ陣営に吹いた追い風は凄まじいものがあった。 これはまさにエルルゥへの、うたわれしものへの期待の大きさ、そして、“リーフ東京への期待の大きさ”に他なるまい。 これだけの熱いファンが発売を心待ちにしている。 リーフ東京には是非とも、この期待に応え。いや、期待を遥かに越えた“うたわれしもの”を味わせて欲しい。そう強く願う。 2回戦の相手は姫川琴音。かなりの強敵には違いない。 しかし、エルルゥのベールの脱ぎ方によっては、そしてそれの活かし方によっては、この試合、面白くなるかもしれない。 惜敗した茂美陣営。 しかし、ほんの端役にしか過ぎなかった川口茂美をここまで作り上げたことに、最大級の賛辞を贈りたい。 ヒロイン、脇役、そして端役。でも、物語の中ではみんな一つの人格を持った、一人の人間なんだ。 そんなことを不覚に思わされるほど、素晴らしい戦い振りだった。 そしてこの闘いはきっと、2回戦に出場する神尾観鈴の力になるだろう。 茂美陣営の想い、そして茂美の想い。 それらはしっかりと、観鈴の掌に握られているに違いない。茂美が真に見たかった、その眩しい笑顔と共に。 | |
gnuplot氏作成グラフ 茂美125−エルルゥ128でエルルゥの勝利!! |