澤倉美咲 vs 来栖川綾香 突発性回折病氏による観戦記 |
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<二回戦・Dブロック第一試合 △ 澤倉美咲(WA) vs ○○ 来栖川綾香(東鳩) 観戦記>Dブロック2回戦第1試合は、前日の鍵対決から一転しての葉キャラ同士の対決である。 サブキャラだった東鳩PC版当時から攻略可能キャラを喰うほどの人気を見せていた来栖川綾香と、 シナリオ萌えのファンを多く抱えるWA陣営をして『最もWAらしいシナリオ』と言わしめた澤倉美咲。 属性は大きく異なる二人だが、それだけに一筋縄ではいかない試合展開が期待できる。 両者の属性の違いは、開始前から両者の入場SSにくっきりとあらわれていた。綾香が試合前の昂 揚を抑えきれず不敵に微笑むのに対して、美咲は戦うことへの恐れでいっぱいの厭戦ムードで入場 する。しかし、これは美咲陣営に戦意が薄いことを意味するわけではない。これは“萌え”の勝負なの である。陣営は澤倉美咲というキャラが最も萌えを発揮するシチュエーションを用意したに過ぎない。 ここは両者とも、キャラ特性を生かした『オーソドックスな入場』と言っていいだろう。 そして試合開始。先制して支援の口火を切ったのは綾香陣営だった。車狩りの直後、開始6分ほど の混乱のなかで20ページ近い綾香エロ同人誌がいきなり投下される。その後もわつき屋CGをはじ めとする画像支援で綾香が先行した。やや遅れて美咲陣営がゲーム内CGによる画像投下を開始す るも、その直後には綾香陣営が開始20分という早い局面でSS支援をスタート。軽快なフットワークで、 立ち上がりはエクストリームチャンプが先手を打っていった。 試合開始時点でR90のレス数が800を超えていたこともあり、この後スレ移行までしばらくは両者とも 投票のみ。午前1時前にバトルフィールドはR91へと移行を果たした。そして、スレ移行の直後には綾 香の画像支援が再開される。豊富な画像量を誇る東鳩キャラの例に漏れず、綾香の健康的な肢体を 見せつけるような画像がコンスタントに投下されていった。 この時間、美咲陣営の方は投票コメントが主体である。画像量で張り合うのはさすがに厳しいところ だが、もともと美咲サイドは心の機微に萌えている者が多い。綾香陣営の豊富な画像支援も、ホワル バーを切り崩すまでには至らない状況か。R91-116では切なさ炸裂の美咲同人誌がアップされ、美咲 側も押されっぱなしで黙っているわけではない。 午前2時頃にR91-128で誰彼風の綾香EDを描くSS「超はぁと2」が投下され、なんとも言えない笑いを 誘った。これが呼び水になったわけでもないだろうが、R91-169で今度は美咲初詣SSが、続く185では 綾香&芹香のぼにうSSと、文章系支援が立て続けに落とされる。 午前3時を過ぎた時点で、得票は綾香141-美咲48。投票や支援は両者とも途切れていないが、綾香 は確実に集票力を見せつけていた。この時点で141という得票数は、A〜Dブロックの2回戦全体を見 てもあかり、美凪、名雪に次いで四番目に大きい。 ちなみに、R91-169で美咲支援SSを投下していた琉一氏はコウモリを名乗っており(笑)、R91-232か ら今度は綾香支援SSの投下を開始。そこから連続で名無し坊氏の綾香の格闘SSが撃ち込まれ、マタ ーリしつつあった早朝の会場で存在感をアピールした。その後は散発的に画像が出るも、両陣営とも 投票主体に移行する。 昼前にR91-315と317において、姉と後輩に挟まれた綾香の恋が、実はかなり切ないのではないかとい うネタが振られた。そんな新たな萌えの発掘が試みられつつも、進行はマターリ。両陣営がお互いに萌 えを語り、ときおり画像が貼られ、ほのぼのシチュが書き込まれ、その合間に投票がなされる。12時か ら18時まででレスの伸びは50余りと、かなりスローペースな展開が続いた。 そして18時前後から再び文章支援が活性化する。R91-378で綾香×雅史という異色のエロSSが投 下されると、間を置かずにシュールな綾香の血染めギャグが炸裂する。…が、その後は再びマターリ ペースに逆戻り。多少間を置いて21時頃に選択肢付き(裸エプロンと下着膝枕の二択)の美咲えっち シチュが貼られて、ラストスパートへ向けて支援が再燃した。両陣営ともこれまでの戦いで画像は撃ち 尽くしたのか、貼られるのはSSが中心である。特に綾香陣営からは格闘に燃える(と見せかけた百合 ?)SSや元旦に萌えるSSなど、毛色の違うSS数本が畳みかけるように投下される。さらに美咲の裸エ プロンSSへのカウンターとして、綾香陣営も裸エプロンSS(寸止めエロ)を出して反撃。そして終了直前 の22:59に至って、駆け込みの綾香SSがだめ押しに貼られてそのままタイムアップ。21時で228だった 綾香票は終了までの2時間で291まで伸びていた。 最終的な得票数は綾香291-美咲117。両者とも安定して得票するものの、出足と末足の伸びで大きく 差を付けた地上最強の御嬢様=来栖川綾香が勝ち上がりを決めた。 <二回戦・Dブロック第一試合 △ 澤倉美咲(WA) vs ○○ 来栖川綾香(東鳩) 分析> 明朗、美人、金持ち、天才、均整取れたプロポーション。前向き、気さく、捌けた性格、甘え上手の姉 御肌。――と、来栖川綾香の萌えポイントは数え上げればキリがない。しかもそれが嫌味になっていな いという完璧超人ぶりである。これだけ美味しい要素を詰め込まれながら、それが記号に堕することな く躍動感あるキャラに仕上がっているのだから、彼女の人気の高さもうなずけるというものだ。 一方の澤倉美咲。傷つくのも傷つけるのも嫌いという彼女は、本質的に内気で臆病な性格である。だ が、弱さは優しさの裏返しであり、その弱点こそが最大の魅力とも言える。切なさを武器とするWAキャ ラにとっては、その脆い心は愛おしさを増進させるスパイスともなる。綾香が動の魅力を持つキャラとす れば、彼女が備えるのは静の魅力と言えるだろう。 その両者の戦いだが、個人的にもっとも印象に残った支援は両陣営ともに『投票コメント』だった。 このことは、良くも悪くもまったく“荒れ模様”を見せなかった試合展開とも大きく関わっている。 序盤で大量リードを獲得した綾香陣営は、そのまま大きな追い上げを受けることなく最後まで逃げ切 った。事実上、午前3時の時点で勝敗は決していたと言ってもいい。美咲陣営の支援が量的にやや低 調なのは残念だったとはいえ、別にSSや画像の支援レベルが低かったわけではない。しかし結果的に、 ゲームの流れを作るような支援は出てこなかった。『どちらも好きなキャラなんだけど』と前置きはする ものの、両者のキャラ属性があまりにも違うため、実際に迷った投票者は少なかったように思える。両 者の属性の違いは競合につながらず、それぞれがお互いの領域で萌えを語る和やかムードだった。 綾香陣営の勝因だが、これはスタートダッシュの差がそのまま試合展開を決めたと言っていい。その 後もバラエティに富んだ支援を落ち着いて配置してリードを広げたが、やはり決定的だったのは開始直 後の2〜3時間だろう。票の稼げる序盤に画像支援を放出して、さらにSSでも美咲陣営に先んじた。そ して投票者が増える終盤の追い込みでも、ぬかりなく支援を並べて逃げ切るという隙のなさ。グローブ オンファイトのようなflashネタから、葵や坂下、セバスチャンなど周辺キャラと絡むSSも多彩だった。そ れらの物資を効果的に配置できた上に、相手が流れをかき乱すようなキャラではなかったことも重なっ て、終始安定した戦いだったと言える。 敗れた美咲陣営だが、まず支援物資の絶対量が不足していたように思える。今回はキャラに対して 率直に萌えを語る投票が多く、もともと浮動票の少ない試合ではあった。しかし、序盤でリードを奪われ たにも関わらず、美咲陣営は浮動票の取り込みにそれほど熱心ではなかったようだ。じわじわと心に 染みるタイプの萌えキャラであるため、インパクトのあるネタを作りにくいというのはあるだろう。のびや かに肢体を晒す綾香画像に対して、厚着が多い美咲画像はインパクトに欠けるという点もある。だが、 この状況でこそWA陣営が得意とするしっとり系のSSが多く欲しかったところだ。キャラの性格は大人し くとも、支援者はもう少しアグレッシブでも良かったと思う。人は多いながら、支援では少数の職人が孤 軍奮闘という状況はいささか寂しいものがある。 ただ、こういう形で萌えを尽くすのも、美咲さん萌えとしてはアリなのかも知れない…。 1回戦に続いて、2回戦も危なげなく勝ち進んだ綾香。ブロック準決勝となる次の試合では、同門対決 となる東鳩の姫川琴音が控えている。作品の知名度は当然ながら同等となる上に、琴音には滅殺会と いう支援組織が存在している。画像の蓄積にも有利不利はあまりないだろう。目下の綾香陣営に不安 要素は見あたらないが、強いて挙げるならこれまで平穏な試合が続いたことかも知れない。一方の琴 音陣営は、1回戦で森川由綺を僅差でかわし、2回戦でエルルゥの猛追を振り切っている。万一荒れ模 様の試合となった場合に、その経験の差が勝敗に響く可能性もないではない。 総合力の高い綾香が正攻法に強いことは判っている。あとは『滅殺』や『カニばさみ』などの一点突破 的なネタにどう対処していくかだろう。総合力を生かして少々のネタでは流れを渡さないような戦術を練 るもよし、己も同じようなネタを探すのもいい。これから楽な戦いはないだろうが、いつも今回のように強 く自信に満ちた綾香を見せて欲しいものである。 | |
gnuplot氏作成グラフ 美咲117−綾香291で綾香の勝利!! |