Ｄブロック二回戦第２試合は葉の全盛期の古豪と期待の新作の主演との対決。姫川琴音は１回戦 
で森川由綺との好カードを僅差で勝利しての進出。戦前で人気衰退が叫ばれていながらそんなこ 
とは感じさせずに、固い支持を見せる戦いぶりであった。対するエルルゥは川口茂美との異色対 
決をこちらもギリギリの差で制しての進出。統一感のあるＳＳを中心として、将来への希望とい 
う風を活かしきっての勝利であった。事前予想では未だ開発段階で情報の少ないエルルゥよりも 
既にベテラン萌えキャラとして数年の重みのある琴音を有利と考える人が多い様子。しかしその 
逆風の中をエルルゥが、未完成という独特のポイントをどう機軸として戦っていくか楽しみな一 
戦である。 

スタート直後は琴音陣営は静かな立ち上がり。固定支持者による票は集まるが、キャラスレも復 
興したばかりということで応援体制が整っていない。エルルゥ陣営はこれをチャンスに数少ない 
画像を放出して浮動層の支持を集める。リング穴Ｊｏｅ氏のピクミンの替え歌や川口さん友情出 
演ＳＳ等も好評。互角の情勢であったが一回戦の飛行機墜落事故を連想させる突発的な地震を契 
機に、琴音陣営が画像・ＳＳを投下して攻勢に出る。特に頑張っていたのが悔氏で序盤では継続 
して応援していた模様。２時を過ぎると謎の琴音スト氏による大作ＳＳが投下。その結果3:00の 
時点で83対34と琴音が安定したリードを奪う。その後は子供名前ランキングネタなどで盛り上が 
るなどして軌道に乗った。 

朝以降はスレがマッタリして、情勢に変化は表れない。それでも双方陣営によるＳＳが散発され 
る。昼を過ぎると票はさらに琴音に流れる。プレイ時代を懐かしんでいる人もいるようで、ここ 
ら辺はベテランヒロインの貫禄を見せてくれた所。票も18:00の時点で145対49とさらにリードを 
広げた。 

危険な超先生ネタで盛り上がるなどすっかり余裕に浸る琴音陣営であるが、琴音支援ＳＳ｢激情 
の夜｣が投下されると状況は激変する。オチは琴音萌えな内容であったが、如何せん長い本編が 
激しくエルルゥエロ萌えであった為、不用意に浮動票を刺激してしまう。もしこの作者の狙いが 
琴音援護であったとするなら失敗と言わざるおえないだろう。ここで追い風がエルルゥに吹くと 
さすがはネタ好きの葉鍵板住人、一気に票と応援がエルルゥに集まり始める。ネタ画像も良かっ 
たが、ギコ＝エルルゥに結びつけたのが特に秀逸な作戦。ＡＡ攻勢でさらに勢いに乗る。ここで 
一回戦同様の奇跡の逆転劇がにわかに現実味を帯びてきた。流れを大きく失った琴音陣営であっ 
たが、画像投下や萌え文章による投票、また謎の琴音スト氏によるＳＳ投下が再びあって逃げ切 
りを計る。そして渾沌とした状況のまま試合は終了。 

注目された集計結果であるが、210対176で琴音が34票差の勝利。予想以上の熱戦であった。 

最後は琴音が逃げ切って三回戦進出を果たした。とりあえず、おめでとう、と言いたい。夜中か 
ら夕方にかけては雑談が始まるなど非常にマターリとした戦いであったが、開始直後と終盤にお 
いては乱戦模様となった。まあ、このトーナメントの特徴が表れたとも言えるが。対決の背景と 
して、旧作対最新作、関西対関東、という構図が垣間見れた。エロゲ最大手の葉の宿命として、 
このような作品単位の派閥が出来てしまうが、しかしこういう対決も興趣がある。こういう関係 
は鍵同士では見ることがない。ただ、全般的に葉の新作陣営は弱いので試合が進むにしたがって 
世代対決も見ることが少なくなってしまうだろう。そんな中では特に関東所属でもあるこみパが 
期待される。もちろん、他の作品や旧作も応援していきたい。 

さて琴音陣営の勝因であるが、やはり１回戦と同じく特に目立つものはない。強力に牽引する応 
援が無い代わりに、各固定ファンが支援を出し合って流れを作っていた。熱く萌えを語る人も多 
く、真の琴音好き人の多さがもたらした勝利であったといえる。超先生キャラで昔の作品のヒロ 
インでありながら、未だこれほどの固定支持層を保持するのは相当の実力者の証拠である。これ 
には敬意を表したい。ただ浮動票の取り込みに関してはそれほど上手くいっているというわけで 
はなく、スタートでの接戦は反省すべきポイントであろう。序盤でそれ程リードが生まれていな 
かったならば逆転負けをしていたかもしれない。今後に向けてはＳＳや自作画像を作成するなど 
して浮動票の獲得に力を注ぐなり、あるいは開き直って強力な支持層を頼みに萌え文投票の大攻 
勢に打って出るなどの作戦を考える必要があるだろう。また終盤での荒れ場において動揺を続け 
ず必死に応援をかまして流れをある程度掴んでおいたのが逃げ切り勝利に貢献したことも付け加 
えておく。 

次の試合は綾香であり、同門対決となる。試合展開も今回よりかははるかに厳しいものとなるで 
あろう。しかし、一回戦でＷＡのメインヒロイン格の由綺を倒した琴音である。実力は備わって 
いるのだから、作戦次第では十分勝機があるのではなかろうか。キャラスレも復興したようだし 
是非とも頑張って欲しい。 

敗れたエルルゥ陣営であるが、こちらはさすがに浮動票が獲得票のほとんどではないか。期待を 
込めた票もあったし、リング氏の替え歌に代表されるネタや川口さん絡みのＳＳや各名無しによ 
る画像に惹かれての票も多かった。ただやはりというか、支援が薄すぎた。折角、問題の琴音支 
援ＳＳによって風が吹いたのに、それを支える応援が弱かったので波乱は起こせなかった。浮動 
票頼みの戦いもやはり限界があるということだろう。そんな中で、Ｒ９２−１４０氏の何気ない 
ギコネタはその後のＡＡネタへの発展に繋がったので評価できる。 

３人がエントリーしたうたわれるものだが、この戦いで全員敗退となった。ＣＬＡＮＮＡＤもそ 
うであるが、情報の限られる未発売作品はどうしても不利は否めない。トーナメント進行中に新 
情報が入ってくることを期待していたが、残念である。しかし未だ発売されていないということ 
は、これからさらに人気上昇という可能性があるということだ。このトーナメントでうたわれる 
ものに興味を持った人も多いであろう。特に印象に無いという人も∠´×｀)ﾕｽﾞﾊﾆｬｰﾝにはピン 
とくるのではなかろうか。この雰囲気を活かして発売日前までに盛り上げていけば、発売日後に 
は一気に人気爆発という状況が、・・・あるかもしれない。ということで、エルルゥ陣営を含む 
最新作に期待している人達は、負けたことにくよくよせず、今後も萌えに励んで欲しい。