前日の試合の余韻が様々な意味で覚めないうちに、二人の戦いがやってきた。 
　詳しい事情は割愛するが、一部では「この試合こそとんでもなく荒れるのではないか」と言われていた一戦、 
保科智子vs緒方理奈。 
　開戦前に互いのスレ代表者が相手陣地に挨拶回りをする等、まず無事に終わらせようという一種独特な雰囲気 
をまといつつ、戦いは始まった。 
　智子側が画像を立て続けに落とす一方、理奈サイドはＳＳが主体。一見すると妙にマターリ、しかしスレの流 
れる速度自体は意外に早く、静かながら熱い戦いが繰り広げられる。 
　エロ方面は控えめなホワルバ陣営の例に漏れず、正面からキャラ自体の魅力を語る理奈。それでいて眼鏡理奈 
画像の投下など、密かに相手のお株を奪う攻撃も忘れない。 
　一方、一見すると真面目系ながら実は東鳩で最もえっちぃキャラである智子はあらゆる角度からエロを語る。 
彼女自身の魅力を語る声も当然あったが、とにかく画像の量と質は凄い物があった。こちらは相手陣営の動きう 
んぬんよりも、とにかく己の萌えを正面からぶつけるスタイル。 
　開始２時間半で放たれた絵、双方合わせて120枚以上。 
　そしてこの時間に居合わせた参加者の一人が曰く、 
「昼のアイドル」理奈　ｖｓ　「夜のアイドル」委員長 
　この言葉がいみじくも、両陣営の応援の質を語っている(笑)。この傾向は最後まで変わらなかった。 

　そんなこんなで夜が明けて、８時に出た中間発表は智子133票vs理奈206票。 
　この観戦記を書くためにスレを見直しても互角の戦いにしか見えないのだが、気が付けば理奈が大幅にリード 
していた。 
　しかし戦場に険悪な雰囲気は無く、マターリと雑談スレ化する一幕も。結局昼間は両者とも目立った動きは無 
く、それは理奈のリードがそのままだったと言う意味でもある。１２時の時点では145vs231。 
　さすがに15時あたりから智子陣営に危機感が広がり出す。しかしそれでも荒れる気配は皆無と言ってよく、事 
前の心配をいい意味で裏切る展開。 
　ちなみに16時の時点で投下画像は300を越えていた。うち８割が智子。 

　17時を回り帰宅する者が出始めると俄然スレは熱気を増していく。 
　18時の中間発表は198vs285と、その差にほとんど変化無し。しかしここから智子陣営の、歴史に残るであろう 
総攻撃が始まる。 
　それは東京大空襲ならぬ東鳩大空襲（笑）とでも言うべき、圧倒的な画像の嵐だった。終盤になって収まるど 
ころかますます激しさを増す爆撃に、ある者はサーバの負担を心配し、ある者は画像収拾が追いつかずに泣き崩 
れる。しかし量では劣る理奈陣営もツボを突くＳＳや画像で的確に反撃、量より質とばかりに踏ん張り、押され 
ながらも倒れない。 
　それでも物量の差はいかんともしがたく、浮動票が大量に集まる終盤戦は、どこを見ても智子の絵、煽り厨房 
も一瞬で押し流されて何も出来ない状態にまで板を染め抜いた智子陣営が制した。 
　しかし18時の時点での100票近い差を逆転するには至らず。結局、当初の懸念を吹き飛ばす名勝負となった一 
戦は、智子393票vs理奈435票となり、理奈が二回戦に進んだ。 

　最終的に画像が何枚出たのか、数え切れた人はいるのだろうか……。 
　ちなみに他の試合で貼られた画像の数は、およそ佳乃97、瑞佳122、みさき135、聖41、佐祐理97、芹香93との 
事である（スレより転載）。いいんちょ恐るべし！ 

　熱い魂がほとばしりつつもマターリと繰り広げられた一戦。 
　しかしながら興味深い事に、今回は「応援に心動かされて」投票した人が少なかったように思う。考えてみれ 
ば智子・理奈共に万人受けするキャラとは言い難い物があり、投票しに来る者は既に心を決めている事が多かっ 
たのだろう。 
　そんな中で序盤にダッシュを決め、最後までそのリードを維持した理奈陣営。支援弾薬の物量では劣ったもの 
の、眼鏡理奈やＹシャツ理奈など、相手の萌えポイントを的確に突き、智子に投票するつもりで訪れる参加者を 
切り崩す攻撃は非常に効果的だった。ホワルバ組定番のほのぼの系・シリアス系の支援もぬかりなく並べ、うま 
く追撃をかわしきった感がある。 
　一方の智子陣営。破れはしたものの、その底なしの弾数は古の名作ToHeartの底力を見せつけるものであった。 
試合が終わってもなおキャラスレに画像を投下する意気込みは、萌えのなんたるかを我々に見せてくれたと思う。 
　ただ惜しむらくは対戦相手が、エロへの興味が比較的薄いホワルバ陣営だった。浮動票を取り込むのには成功 
しても、相手陣営を切り崩す効果は小さかったように思う。また旗艦・由綺を失った相手陣営がこれまでにもま 
して団結を固めていた事も、タイミングの妙とは言え不幸であった。 
　もっとも最大の不幸は、あまりに投下画像が多すぎた故に一枚一枚の印象が薄れた事だろうか。付け加えれば、 
戦いが終わってエロ画像の印象ぐらいしか残っていないというのも、智子陣営としては不本意に違いない。掘り 
下げれば理奈に負けず劣らず魅力的な側面を持つだけに、それをアピールしきれなかったのは残念である。 
　総括するなら、パワーと物量では智子側が勝っていたが、的確にツボを突いた立ち回りと、自分本来の魅力を 
うまく表現した事が功を奏して理奈が制した、と言えよう。 
　ちなみに改説者はこれを書きながら、敵を知り己を知れば百戦危うからず、という諺を思い出した。 

　２回戦に駒を進めた理奈が次に当たるのは、恐らく南になるだろう。と言うか、これ書いてる間にどうやら 
そうなった模様（ｗ。 
　今回の戦いで弾薬が底を突いたであろう理奈陣営にしてみれば厳しい戦いになると思われるが、元々エロが萌 
えの主力でなく、むしろキャラやストーリーの深さに価値を見出すホワルバ陣営は、単純なエロシチュでは揺る 
がない傾向が強い。今回の智子戦で見せたように、相手キャラの魅力を奪う攻撃をしつつ己のアピールをこなせ 
れば勝機は小さくないだろう。そしてホワルバ陣営は、そういう技に非常に長けている。 
　熱狂的支持者こそ少ないが、静かにして盤石な支持基盤を持っている事がこのトーナメントを通じて明らかに 
なってきたホワルバ陣営。今やその主力となった理奈がこれからどのような戦いを見せるのか、非常に楽しみで 
ある。 

　しかしその一方で、今回智子陣営が見せた凄まじいまでの弾薬量を、他の東鳩系人気キャラも保持している可 
能性がある。鍵優勢と言われているこのトーナメントだが、ここに来て葉の底力が垣間見えてきたように思うの 
は私だけだろうか。 
　まぁ当方としては、荒れなければそれだけで幸せなのだが(^^)。