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吉井 vs 石原麗子
勝手に改説氏による観戦記
<一回戦・Eブロック第6試合  注△ 吉井 vs    石原麗子 観戦記>

 東鳩のチョイ役、いじめっ子3人組の一人「吉井」と、誰彼の脇役、脱がない眼鏡女医 
「麗子」。戦う前から消化試合と言われるのも、まぁ無理のない組み合わせであろう。 
 しかしながら、吉井は密かな人気者。ほんの端役のはずなのに、何故か専用お絵かき板 
や吉井板まで持っている。一方の麗子も、いざ設定を見てみると千鶴よりも強そうだった 
り永遠に生きていそうだったりと遊び所は満載。 
 知る人ぞ知る、といった言葉がぴったり来る両者が、どのように知らない人たちの支持 
を得るか、マターリ静かに戦いは幕を開けた。 

 やはり女子高生というブランドはそれだけで強く、開始当初の浮動票は吉井へ集中。 
 しかしそこに麗子陣営から一人の戦士が立ちふさがる。先日の高子戦で「蝉丸高子愛の 
劇場」を放ち、今回もゲーム画面を改造して麗子の入場シーンを彩った、その名は254氏。 
なんと彼はここから、投票板の動きに合わせて「麗子絵を改造し、質問へのレスを画像で 
返す」という前代未聞の応援を開始した。この手法は結果的に、知名度の低い誰彼世界の 
宣伝にもなった。 
 吉井陣営が名無し忍者氏、例の三人組氏、名も無き闘票者氏等の放つ良質のSS及び 
AA、更に適宜放たれる画像で押しまくる中、孤軍奮闘の254氏。質問から3分でレス画像 
を返す(しかもきっちりオチ付き)という勇者っぷりに心打たれる者が続出、吉井陣営から 
も賞賛の声が漏れる。消化試合と思われていた試合は一変、職人たちの熱い魂が競演する 
名勝負と化した。 

 夜の間は華麗なる応援合戦に彩られた会場も、朝になって職人たちが力尽きると途端に 
静かになる。7時の得票数は吉井62vs麗子52。3時半から6時半までに投じられた13票は 
全て麗子に入っていたりする。 
 ちなみに、ここまでエロ方面の応援は皆無に等しい。こんな展開は意外に珍しいのでは 
ないだろうか。正面切って萌えを語るに、必ずしもエロは必要ないという事か。 
 さすがに3連休の中日の昼間ともなれば、健全な皆様は外に行ってるようで投票ペース 
は落ちる。その中、アナログ回線では見るのが辛いという苦言も呈されるものの、やはり 
254氏の功績はひときわ目立ち、それに釣られて麗子に入れる者がぱらぱらと。しかし、 
得票数では吉井も負けず、昼の中間発表では吉井74vs麗子68と僅かに差が縮まったのみ。 

 午後に入ると吉井陣営の職人が続々と復帰。一方の254氏は画像の上げ過ぎで叱られた 
らしく、13時にこれ以上の画像アップはしないと表明。麗子側は唯一にして最大の支援者 
を失う事になる。 
 結果、午後は吉井陣営のSSが板を埋め尽くす事に。ただでさえ出来の良いSSに加え、 
少数ながら萌えエロ(過激でない系)の絵も出現し、差を引き離しにかかる。のだが、それ 
でも254氏の残したインパクトは強大でペースを握りきれない。読めば効くSSと、一発 
で脳髄を破壊する画像、両者のせめぎ合いと言ってもいい状況が続く。 
 しかし、支援が途絶えた麗子陣営に対して確実に物資補給が続く吉井陣営。その差は、 
夜が更けるに連れ確実に開き出す。そして21時半、とどめとばかりに吉井板と吉井サイト 
へのリンクが張られた。その応援の質と量はもはや脇役キャラの域を遙かに越えており、 
何の気無しに板に訪れて驚愕する来訪者が続出。 
 最終的に、多彩かつ上質な応援をこれでもかこれでもかと落とし続けた吉井陣営が物量 
の差で麗子を下した。


<一回戦・Eブロック第6試合  注△ 吉井 vs    石原麗子 分析>

 最終得票数、吉井138に対して麗子113。数字だけを見ればマイナーな戦いでしかない。 
 だが、そんな定義など無意味である事は、この試合を見た者なら理解できるだろう。 
 想像を遙かに超える、壮絶な試合だった。何の気無しに入った街角のクラブハウスで、 
世界的な有名バンドのシークレットライブに出会ったような気分である。 
「棄権のつもりだったけど、応援にやられた」 
 という発言が、今回の投票者には非常に多かった。 
 図らずもこの言葉がこの試合の真価を示している。職人魂を存分に見せつけたという点 
で、これまででもベストバウトの一つと言ってもあながち大袈裟ではあるまい。 

 やはり今回の試合を語る際に、254氏の頑張りは避けて通れまい。吉井陣営の職人たち 
が放つ数々の萌えをただ一人で受けきり、それどころか一時は主導権すら握ってのけた。 
巨大な実力を持っていても、強敵がいなければ空回りするのみ。彼無しでは、この一戦は 
単なる凡戦に終わっただろう。 
 しかしながら、もはや全キャラ中でも屈指の水準かも知れない吉井応援団を前にして、 
やはり一人では限界があった。麗子側の敗因は254氏に続く者が現れなかった事に尽きる。 
 その吉井応援団。SSを駆使する名無し忍者氏、AAでちゃん様まで登場させた例の三人 
組氏を筆頭に、良質の応援を次々と輩出してのけた。笑いありシリアスありで、ごく普通 
の女子高生の何気ない日常、ほんの小さな一瞬を萌えの領域まで高めた技は鮮やかと言う 
しかない。妄想もここまで来ればもはや芸術の域である。やはり独自板を持つ実績は伊達 
ではなかった。 
 それにしても何故、他の試合に出れば文句なしにMVPを取れそうな実力者が、決して 
メジャー所とは言えないこの戦いにこんなにも多数集結して己の萌えを競い合ったのか。 
萌えの世界はまだまだ奥が深い。 

 勝利を収めた吉井陣営が次に相対するのは、やはりSSを初めとする地道な支援で勝利 
を収めた理緒。名勝負の予感がするのは私だけでは無いはずだ。メインヒロインと脇役の 
差は、この戦いにおける職人芸のパワーを見る限り、十分に逆転可能と推測される。両陣 
営とも現時点での残弾数はあまり変わらないだろうから、今後の上積みが鍵になるだろう。 
願わくば今日のように、職人魂の神髄を再び見せて欲しい。 

 得票数はそんなに多くない。展開もマターリ静かであった。 
 しかしそれぞれがそれぞれの萌えを完全燃焼し尽くしたこの試合は、紛れもなく名勝負 
であった。いい場所に居合わせたものである。 

gnuplot氏作成グラフ


吉井138−麗子113で吉井の勝利!!