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小坂由起子 vs 宮内あやめ
勝手に改説氏による観戦記
<一回戦・Eブロック第7試合   注 小坂由起子 vs    宮内あやめ 観戦記>

 消化試合と思いきや、予想外の好勝負が続くEブロック後半。 
 本日の試合にお出ましなのは、ONEにて主人公・浩平の保護者を努める小坂由起子。 
葉系キャラ同士の戦いが続いた中で、久々の鍵系キャラである。対するは東鳩の、レミィ 
の母親とはにわかに信じられない和風の女性、宮内あやめ。 
 奇しくも母親対決となったこの一戦、双方ともゲームでの出番は極めて少なく、由起子 
に至っては画像すら存在しないため、職人達がどう動くかがポイントと言えた。 

 しかし、試合開始早々から両者の明暗はくっきりと分かれる。 
 いきなりSSを投下しまくる由起子陣営。本編には画像こそ無いが、さり気なく茜の服 
を脱がすという美味しい役回り(笑)を得ている上に、実の息子でない浩平との間に広がる 
複雑な事情も相まって、職人による補完活動が非常に活発に行われる。 
 浩平を引き取るまでの過去の一幕、茜と浩平を見守る母としての立場など、繭ママ戦で 
見せた想像力の広がりはここでも遺憾なく発揮。もともとシリアス系のSSを書かせれば 
鍵勢力の実力は折り紙付きであり、次々と投票者の心を射抜いて票を集める。 
 一方で、あやめ陣営には全くと言っていい程動きがない。一見すると幸せな家庭だが、 
なにせあのジョージと、普段から和服を着た生粋の日本女性の夫婦である。その背後には 
人知れぬ苦労があったはず……と職人の奮起を期待する声は上がれど、それに応える者が 
現れないのだ。 
 両者とも支持基盤は無く、実質的に浮動票が勝敗の趨勢を握る試合でこの差は大きい。 
飛ばしまくる由起子、何も出来ないあやめ。夜が明ける頃にはその差は既に絶望的なまで 
に開き、あやめ陣営には最低得票数更新の期待がかかる有様。それどころか先日行われた 
男トーナメントで夫が獲得した票数すら下回るのでは? という、もう見ちゃいらんない 
状態。なのに、なのに、なのにそれでも職人は現れず、突破口が開かない。 
 12時の時点で得票数は60対9。 

 じり貧のあやめ陣営は、とうとう男トーナメントで物凄い話題を振りまいた核弾頭、夫 
ジョージの戦慄の画像を投下。応援と言うよりむしろ自爆テロに近いこの行為をもって、 
あやめ陣営には「終わった……」という悟りの境地が蔓延してしまった。 
 結局、浮動票をちまちまと確保して最低得票数更新こそ免れたが、あやめの戦いはこの 
瞬間、13:05に終わってしまったようなもんである。マジで合掌……。 

 一方、対戦相手が遙か後方で玉砕したのには目もくれず、ただ萌えを追い続ける由起子 
陣営。既に勝敗はほぼ決しても魂の叫びは止むことなく、自作の由起子イメージ画像など 
も投下される。 
 結局そのまま独走状態を保ち、投票者からSS職人へ惜しみない賛辞の声が送られる中 
で試合終了。勝負という点では味気なかったが、見事に萌えを表現してのけたという点で、 
誰も勝者に対する文句はつけられまい。 
 総得票数、114対27。小坂由紀子、2回戦進出。 


<一回戦・Eブロック第7試合   注 小坂由起子 vs    宮内あやめ 分析>

 ワンサイドゲームになった今回の試合。 
 由起子陣営に対抗しうる応援が、あやめ陣営に無かったのは不憫としか言いようがない。 
ただこれには、あやめの立場も影響していよう。 
 あやめはPS版東鳩にしか出て来ない。そしてPS版からこの世界に入った人は、PC 
版からハマっている人に比べるとどうしても「薄い」。 
 早い話がコンシューマ版のゲームは 
「PC版から存在するマニアの萌え心を補強する事は出来る。新しいファンを獲得する事 
もまぁ出来る。しかし、新たなマニアを獲得する力は弱い」 
 のではないだろうか。ヒロインならまだしも、単なる脇役のために応援物資を投下する 
ような人材を、コンシューマ世界から得るのはかなり困難と思われる。そうなると既存の 
職人層の支援を頼むしか無いのだが、残念ながらその試みは成功しなかった。 

 ただ、あやめというキャラの魅力は由起子に比してさほど劣るとは思えない(涙を誘う 
話はあまり無いだろうが、ドラマ性という点では引けを取るまい)し、葉陣営のSS職人 
が鍵陣営に劣る訳ではない事も吉井戦で証明済みである。 
 厳しい言い方になるが、この結果はただでさえ層の薄いあやめ陣営が、それを克服する 
努力を怠った事に原因を求めざるを得まい。 
 もっとも、あやめ陣営と称すべき組織が本当にあったのかどうか疑問だが(^^; 

 一方の由起子陣営。久しぶりの鍵キャラの出番だったからか、ここ数日の葉同士の熱戦 
に影響されたのか、とにかく気合い満点という言葉がぴったりくる応援ぶりだった。 
 例によって情報の無さを逆手にとって、様々なSSを撃つ! 撃つ! 撃つ! 原作内 
の小さな一幕からここまで想像を広げられる職人達の技には、毎度毎度驚嘆するばかりで 
ある。このトーナメントが何だかんだ言って潰れる事無く続いているのは、ひとえに彼ら 
のような職人あってこそであろう。 
 正直言って今後の戦いの道は厳しい。2回戦ぐらいはともかく、それ以上になると情報 
の少なさがハンデとなることは想像に難くない。既に今回の戦いでも、SSで扱うネタの 
種類には限界が見られた。今後も同じような作品しか出て来ないのなら、おのずとその先 
に待つ結果は伺い知れよう。 
 だが、投票者に 
「葉鍵板の深淵を見た」 
「ONE2のストーリーはあなた達が書いた方が良さそうだ」 
 と言わしめたその実力と情熱をもって、最後まで正々堂々と戦って欲しいと思う。 
 少なくとも、あきらめた先には未来はないのだから。

gnuplot氏作成グラフ


由起子114−あやめ27で由起子の勝利!!