支援活動。 
　自らの情熱をもって、萌えキャラの魅力を伝える事。ある者は溜め込んだ画像を放出し、 
ある者は脳内補完や二次創作を駆使し、通りすがりの一参加者を同じ道に引き込む事。 
　職人魂の発露の場でもあり、その心意気を称える場でもあり。 
　そして、最萌トーナメントを単なる人気投票以上の物たらしめている原動力。 
　その一つの到達点とも言うべき一戦が、今、ここに。 

　ToHeartより吉井ユカリ。葉鍵板から一歩外に出れば「誰それ？」と皆が言うであろう、 
委員長シナリオのいじめっ子三人組の一人である。ゲームの中でのちょい役が、職人達の 
活動を得てどこにでもいそうな普通の女子高生としての魅力を獲得し、数多くの参加者を 
巻き込んでついにここまで駆け上がってきた。 
　その歩みは全ての試合において、思わず魅入る程の職人芸の激突。自分自身だけでなく 
対戦相手まで悉く支援の技が光りまくり、得票数こそ地味だが、くぐり抜けてきた試合の 
熱さでは恐らく誰にも負けない。それ故に支援者の結束は強く、その実力も折り紙付きで 
ある。 
　その吉井を迎え撃つのは緒方理奈。由綺と並ぶホワルバの双璧だが、むしろ印象に残る 
のはその支援内容。裸Ｙシャツ、眼鏡、おさなりーな、諸田真と多種多様、キャラの格を 
考えるとむしろ掟破りと言ってもいい程に新たな魅力の模索に積極的であった。 
　最後のアイドル、最後のツインテール、最後のホワルバ陣営……それらは全ておまけに 
過ぎない。彼女をここまで辿り着かせたのは、結局は彼女に萌える支援者の力。そして、 
ヒロインの座に甘んじる事無く前を見続ける心意気。 
　最萌トーナメントＥブロック決勝。 
　職人技の乱れ飛んだこのブロックの最終戦は、それにふさわしい感涙ものの支援合戦が 
繰り広げられる事となる。 

　この試合からコード導入と言う事で少々ざわめいていた本スレ。 
　試合前のR143-296にて、Ｅブロック出場者の総出演画像が登場し雰囲気を盛り上げる。 
吉井入場は327からと342からのシリアス・ギャグ２段構え、理奈入場は346からシリアス 
っぽくもちょっとオチ付き。 
　リング穴Joe氏不在と見るや352で類似品？のringuana氏がきっちり煽り文をアップし、 
気が付けば混乱もなく綺麗に試合開始していた。 
　開幕直後の投票は、これまでの支援の印象が強烈な吉井に勢いが伺える。だが、359の 
もなちゆ氏の両者支援を除くと、先手を取って支援を出したのは理奈側。R143-394にて、 
名無しAD氏がいきなりおさなりーな＆眼鏡を投下する。だが吉井側も反応は早く、405で 
例の三人組氏のAAが登場。 
　R143-428で、早くも理奈側の諸田真FLASHが出現。429と446で画像、452では支援まとめ 
サイトへのリンクを貼る。478や491でSS、509でゲーム内音楽まで繰り出す。開始30分で 
このダッシュ、吉井支援の熱さが会場を埋める前に先手を取る作戦か。 
　だがそうは問屋がおろさないとばかりに467から再び例の三人組氏のAAコミック発動。 
そしてR143-484では青色名無しさんだよもん氏作、今回の吉井支援の最強兵器とも言える 
三人組FLASHが登場。501で自作絵も飛び出して流れを渡さない。 
　この時点で既に両者とも「支援を見て転ぶ投票者」を獲得しまくり。熱い！ 
　でもそんな中で476の両者支援SSのような作品も出るあたり、いい雰囲気。 

　R143-516から、今回の理奈側SS支援の主力兵器となった琉一氏が始動。525と531で再び 
理奈画像。吉井も吉井で535から青色氏のSSが発射され、540で流れの傭兵氏のネタ絵と、 
なまじ投票がマターリなだけに……と言っても決して少なくはないのだが……支援の密度 
が半端ではない。 
　R143-543。由綺vs琴音戦で伝説を作った緒方英二氏が、新作MP3と共に理奈支援に降臨。 
555で漢たちの黄昏氏も理奈支援に出動と、もはや総力戦の構えを見せる理奈側。 
　かと思えば六＠氏が565で、しまさら氏が570で吉井自作絵。そして583で吉井と言えば 
この人、の名無し忍者氏が始動。 
　ここまでの支援が開始１時間で乱れ撃ち、何なんだ一体！ 

　支援が次々落とされる中、R143-603から今や理奈支援の名物、馬鹿兄とおさなりーなの 
SSが登場。629では、今度はおおさか＠つちへん氏が吉井自作絵投下。 
　638ではゲームボーイ版ホワルバ(エミュ付き)まで出現。央供徒氏は667で理奈側に参上。 
桜橋涼香氏が677で吉井自作絵の完成版を上げ、漢たちの黄昏氏は理奈SSを書き、684では 
理奈ラフ絵と、職人達は止まらない。 
　夜が更けて気合いが入るのは吉井支援者。青色名無しさんだよもん氏は母乳車(右)氏の 
登場を待って吉井母乳SSを落とすという芸の細かさを見せ、しまさら氏はえろ系吉井絵を 
投下。762からは吉井恒例のTRPGネタSSが開幕し、775ではエロSS。 
　自作絵以外はほとんど画像が無い吉井だが、その自作の新作が773など次々と登場する 
のも凄い。その絵にものの数時間でシチュSSがつくのも凄い。深夜なのに。 
　一方の理奈支援、いかにもプロっぽい腕を持つR143-684氏が783で新作投下。支援作品 
に反応して思わず自作絵を作る794氏みたいのもいる。806では三人組に対抗して理奈側も 
三人ユニットを組もうとする連作SSが始まったりと、「この試合の為に作った」ぽい支援 
が多いのが感涙もの。一方でエロ方面SSも忘れない。 

　蒼氏、松山くん氏まで画像投下に登場し、もはや支援者オールスター戦と化す本スレ。 
　つーかここまで書いてやっと夜明けってどういう事よ？ 
　7時20分にR144にスレ移動。直後の12で、またも吉井自作絵にシチュSSがつく。ちなみ 
に作者は名も無き闘票者氏、有名どころの支援者がここにも一人。 
　理奈側は琉一氏が奮闘、17でエロシチュSS続編。 
　画像も38と47と53で吉井、45と50で理奈が出て、スレの主導権はどちらも握りきれない。 
その熱意に感応して85で両者支援自作絵が投下されたりもする。 

　さすがに平日だけあって昼間の進行はマターリ。101で会社から理奈支援SSを投下する 
という猛者も現れたが、スレの進みは遅く、支援の頻度も低め。 
　つーかあの密度で丸一日試合されたら解説者が死ぬって(爆)。 
　お昼に両陣営とも支援まとめ。しかし文章支援のリンクだけで両者会わせて７レス分と 
いうのは、かなりシャレにならない。 

　午後になると支援活動が再び活性化しだす。吉井のTRPGネタSS続編が投下され、R144- 
143でまた自作絵にシチュが付き、チェき氏が155でAAを投下、更には謝罪シーンの音声 
(ただしオチ付き)まで出る。 
　だが理奈支援も退かない。R144-142にて緒方英二氏が再登場、由綺戦の既出物も含めて 
MP3を一気に投下。マターリ４コマ漫画にブルマ絵と来たのに続き、684氏が168及び244に 
登場し理奈絵を投下。何故か理奈がはるかやちゃん様と融合したりしつつ、この時間帯の 
支援は理奈が物量でやや優勢か。画像が多めなのもポイント。 
　ともあれ試合会場は、熱い魂がほとばしりつつもマターリ。 
　象徴的なのが、琉一氏の理奈エロSSが完結した直後のR144-221、名無し忍者氏が「この 
試合支援」と称して投下した両者登場作品であろう。 
　夕方近くになると260でしのさいか氏が吉井につき、264で例の三人組氏が新作を投下し、 
282であまとう氏も復活し、チェき氏もまた登場、三人組結成エピソードっぽいSSも出て、 
吉井支援が次第に充実してくる。 
　理奈も馬鹿兄貴がらみのSSを複数出し、料理物SSを出し、おさなりーなを出し、ゲーム 
向けSODデータを出し、由綺との出会いっぽいSSも来る……。 
　止まらない。両者とも支援が止まる気配がじぇんじぇん無い。 

　前半戦に出された連作SSの続編も夜に入って次々と復帰、琉一氏はまたも新作SSを投入 
し、リアルタイムでSSを書く猛者が483で現れ、538ではまたも緒方英二氏が出現し、スレ 
の流れが加速する。 
　何故か緒方兄の支援画像が出たのはご愛敬として、この時間帯に最も反響が大きかった 
のはR144-500で684氏が投じた理奈絵。その品質に萌え転がる者続出、この規模の戦いで 
も一枚の絵が破壊力を持ち得る事を証明した。684氏は603でも絵を投下し賞賛される。 
　546からは理奈がパリ旅行するという新形式の支援も登場、554では吉井側に複数の試合 
をまたがり連載される東鳩SSの番外編が出て、アイデア勝負の側面も見せる支援合戦。 
　その果てに、600で理奈支援の自作タイピングゲームまで出現。 
　更にS.Kimura&O.Yaritu氏が620及び624で自作MP3を投下。終盤戦における理奈支援作品 
の多彩さは最萌史上屈指と言えよう。同時に、支援HPが適宜更新され続けるフォローぶり 
も特筆物。 
　しかし吉井側も青色氏が秋子さん(ですよね？)共演SSを出し、チェき氏が新作AAを投下 
し、１レス級の小品SSが次々に投下され、投票者の熱いコメントも連発。最後まで必死に 
食い下がる。 
　そしてR144-699、名無し忍者氏が221の続きとなるこの試合支援・完結編を投下。これ 
が試合終了15分前、普通ならこの辺で支援が止まるのだが(これ以降は読まれづらく票に 
繋がらないから)、今日は話が違う。試合時間が残り５分を切っても支援が止まらない。 
連作物の完結編のみならず、残り４分の731で吉井SSの新作まで出現。 
　コード導入により駆け込み投票がやりづらくなったとは言え、駆け込みよりも支援作品 
の方が目立つという驚異的な終局となった。 

　正直、この試合で勝敗を語ることほど無粋な真似は無いと思うが……。 
　最終結果、３４８vs２５２。ブロック代表の座は緒方理奈が獲得した。 
　一方が主導権を握れるような展開はほとんど無かった事がグラフからも伺える。支援者 
にとってはメチャ熱い、そして胃に悪い(笑)熱戦であった。 

　えーっと……例の三人組氏、名無し忍者氏、青色名無しさんだよもん氏、流れの傭兵氏、 
六＠氏、しまさら氏、おおさか＠つちへん氏、桜橋涼香氏、名も無き闘票者氏、琉一氏、 
名無しAD氏、緒方英二氏、漢たちの黄昏氏、央供徒氏、R143-684氏、蒼氏、松山くん氏、 
S.Kimura&O.Yaritu氏、しのさいか氏、チェき氏、不幸にも観戦記に名前を出せなかった 
真あさひ萌え氏、◆RINA/ECg氏、シュバルツ・ブルーだー氏、大空寺さま氏、それに…… 
やめた、とてもフォローできん。それに名無しさんも多数支援してたし。 

　ともあれ、トーナメント開始前は消化試合ブロックと言われていたＥブロックは、いつ 
の間にか職人芸ブロックと化し、その決勝戦は総決算とも言うべき熱い戦いとなった。 
　そして試合終了後、理奈支援の684氏から吉井画像が放たれて受けが良かった事からも 
伺えるが、最後まで荒れる事の無い試合であった。 
　この試合はたかが２ｃｈのネタ企画に過ぎない。どっちが勝とうが負けようが、そんな 
事は生活の上で何の関係もない。むしろ関わりすぎて普段の生活に影響したら、そっちの 
方が問題だろう。 
　だがそうやって、どうでもいい事に全力投球する姿は、何故か人の心を打つ。 

　素晴らしき大馬鹿野郎たちのお祭り。 
　この試合を一言で表現するなら、こうなるだろうか。全くもって楽しい一日だった。 

　ブロック代表者は事前予想でも本命だった理奈となったが、結果はともかくその過程が 
こんなに熱い展開になると予想できた者はいるだろうか。 
　その立て役者は言うまでもなく吉井。キャラスレを持ち、多数の職人を抱えた彼女は、 
このトーナメントで想像を遙かに超える大活躍を見せてくれた。都合、彼女の相手となる 
ヒロイン達の支援者も気合いが入る事となり……なまじ原作ゲームではちょい役の吉井が 
ここまで熱い支援を受けているだけに、相手側としても無様な試合は萌え人のプライドが 
許さなかったのかも知れない。吉井効果とでも呼ぶべきか……その結果、数々の名勝負を 
生んでのけた。 
　いじめっ子三人組の中で良識派とされている吉井は、気が付けばこのトーナメントでも 
良識派となっていた感がある。支援は熱く、戦いぶりは堂々としており、相手への敬意も 
欠かさず……う〜むお見事。 
　試合終了後、R144-873から例の三人組氏のAAによりトーナメントの場を去った吉井だが、 
葉鍵板内部限定とは言えセリオ並の脳内補完っつーか脳内創造をこの短期間で完成させて 
くれたその姿は、全ての参加者に強く印象付けられただろう。 
　と言うか、もう忘れろったって無理。吉井萌えには敗北宣言出すしかない。 
　この少女に、そしてこの少女を愛してやまぬ凄腕の職人達に、敬礼。 

　一方、理奈。 
　吉井効果が顕著に出たのか、この試合に賭ける情熱は凄まじい物があった。 
　SSや絵ばかりか、MP3、FLASH、更に自作ゲームと何でもありあり。特に後半の三つは、 
そう簡単に作れる物ではない。その重量級支援を惜しげもなく投入し、あの吉井支援軍団 
をも押し返すパワーを見せるとは。 
　私は支援で吉井が押し、原作の魅力で理奈が迎え撃つという展開を予想していたのだが、 
完全に裏をかかれた。緒方英二氏や684氏など予想外の援軍……それも並大抵の実力では 
無い……が次々と理奈支援に登場し、吉井支援団と正面からせめぎ合うのを見て、改めて 
理奈の、ホワルバ勢力の静かな底力を思い知らされた気がする。 
　そして、その矜持も。 
　この試合で手持ちの弾薬は全て撃ち尽くしてしまった模様だが、それを知りつつ全力で 
支援し続けたその心意気や良し。それでこそ祭りである。 
　次の相手は激戦区Ｆブロックの代表、水瀬秋子。 
　トーナメント一連の展開を見る限りでは相手の方が強い。だが支援の熱さ、萌えの強さ 
では理奈は秋子に……と言うか、ＥブロックはＦブロックに……決して劣らないだろう。 
　職人芸のＥブロック。その代表として、理奈には正々堂々たる戦いを望みたい。 
　勝敗よりも大切な物……「萌え」の為に。