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柏木梓 vs 水瀬秋子
元怪説者だよもん氏による観戦記
<二回戦・Fブロック第一試合 注  柏木梓 vs 注◎ 水瀬秋子 観戦記>

一回戦で血みどろの激戦が続き、「死のブロック」と称せられた激戦区・Fブロック。約1ヶ月半を経て、 
再び彼女達が舞台に上がる日がやってきた。 
そのブロック第一試合、柏木梓は一回戦で新城沙織とのLVN杯巨乳体育会系女子高生対決(長い)を 
ハナ差で制しての勝ち上がり。一方水瀬秋子は一回戦で同じサブキャラの小出由美子と当たったが、 
彼女をサブキャラとして括ることの是非を問うような力を見せつけたことはご承知の通りだ。 
今日の試合も、メインキャラ対サブキャラという構図に安易にはまることはないだろう、というのが 
大方の見方だが…。 

試合開始後はいつものように両陣営から画像が大量に投下されるなか、開始後10分ほどで旦那さん、 
名無しです氏が梓支援SSを発表し、梓陣営が初動の良さを見せる。このほか梓陣営からはR97-536氏の 
「何か」用ゴーストなど目を引く支援が打ち込まれるのだが、この時間帯は決め打ち票がほとんどで、 
票が雪崩をうって流れるというほどの即効性はなく、ポイントを重ねたというところだ。 
むしろ開始直後の会場で最も注目を集めたのはギャルゲ板最萌から誤爆された陽ノ本光票と支援画像 
だったかもしれない。(ちなみに陽ノ下光はこの日一回戦を無事突破。504氏、おめでとう。) 
その後試合の様子は、秋子陣営がチェき氏のAAや、自作画像(721)、妄想シチュ(747)等を打ち出せば、 
梓陣営からもINU氏の支援SSや入情紙細工氏のシチュ群等が出てくるといった具合。支援以外にも 
熱い長文コメント付きの投票が特に梓票に多く、切なる思いを感じさせるのに対し、秋子陣営は 
色々な話題の雑談で盛り上がっており、見た目の勢いは特にどちらが上という感じでもない。 
しかし実際の票数では秋子陣営が少しずつ梓陣営を引き離していた。1:00時点で約30票だった二人の 
差は、2:00で約40票、3:00で約50票に広がっている。 

深夜に入ると、支援も投票もほぼお休み。両陣営で数人の貼り師が画像やSS集へのリンクでポツポツと 
支援するのだが、会場はKanonアニメ絵の第一報ですっかり萎えきってしまい、その後も時事の話題など 
あさっての方向へ流れてしまう。早朝に行われたRound95の埋め立てには実に25分以上を要し、人が 
いないことがよく判る。 
新スレに移ってからもスレの進みは遅い。ちょうど両陣営からリンクでSSサイトの紹介があったので、 
会場がマターリ進行の間に読みに行った人も多かっただろう。あと、一部でいわれなき罵倒を受けていたが、 
R96-53のAAも萌えだ。 
昼時にかけて両者に淡々と票が入る展開が続いた後、支援で動きがあったのは14時頃。秋子陣営の 
あやしげなショートシチュ(93)とほぼ同時に、95で梓陣営の連作「りたーんまっち"梓"」がスタート、 
テンポよく続けざまに打ち込まれる。さらに梓陣営にはAF団十尻衆も参戦し、97と164の二回にわたり 
過去ログから支援エロSSのリンクを貼ると、秋子陣営も同じくAF団スレの過去ログを持ち出して対抗、 
このほか既出ものだがGOFや自作画像(190)を投入するなど、総力戦らしくなってきた。 
終盤は梓陣営から石氏の四姉妹SS、AF団期待の新作、セルゲイ@D氏の逆転裁判ネタが次々に登場 
したかと思うと、秋子陣営も326氏の大長編SSのほか、母乳シチュ(266)、エロシチュ(342)や 
MITUKI氏やうにゅう使い氏ら名雪派(?)の短編等でコツコツと打ち返し、梓陣営の独壇場にはさせない。 
その後、名も無き闘票者氏の「お弁当」と、十尻衆・激動たる美尻突き氏のエロSSという、やや 
方向性の異なる二本の梓支援SSシリーズがギリギリで完結したところで、この熱い戦いもタイムアップ。 
結局、序盤のリードを昼から夕にかけて広げた秋子陣営が、329対227で逃げ切った。 

一回戦では母娘揃っての勝ち上がりが四組あったが、このうち二組は既に一方が二回戦で敗退。 
三組目の挑戦となったこの試合で、ついに母娘二回戦突破が実現した。たいてい娘の方はメイン 
キャラクターなので、総じて設定の薄い母親が突破できるか否かが達成の鍵を握っているわけだが、 
やはりこの人の存在感の濃さは数多の母親キャラの中で群を抜いていたようだ。 


<二回戦・Fブロック第一試合 注  柏木梓 vs 注◎ 水瀬秋子 分析>


有効投票総数は二回戦の平均的な水準を大きく上回り、激戦区入りを実感させたこの試合。 
両者とも得票数は一回戦のときと同水準で、投票でも「○○も好きなんだが、やはり□□のファン 
なので」というコメントが目立った。して見れば、結果としては両陣営とも地力がほぼそのまま 
発揮されたと考えられる。 

二回戦では、特に敗者の側は一回戦の得票数を大きく下回る傾向がある。そんな中で今試合の梓陣営は、 
一回戦と遜色ない票数を獲得した。敗れはしたが、ファンの強い結束と揺るがぬ支持を示すことが 
できたと言えよう。 
戦いぶりを見ていると、質量とも高レベルの支援を打ち出しつつも、読み物はコンパクトにまとめ、 
強力な武器である有名どころのドジソシの貼りも必要最低限の部分に留める等、抑制の効いた応援態度が 
目立った。これもベテラン職人を擁する古豪なればこそだろう。 
しかし、過去の蓄積が重くのしかかっている面もある。試合中でも原作での扱いの悪さ(特にエロシーン) 
を嘆く声が多く、投票でも戸籍上の姉妹だのメイドだのと酷い言われよう。こういう「何やら不遇な 
キャラ」というイメージは長年月かけて出来てしまったものだけに、この試合でも完全には払拭 
できなかった。まぁもっとも梓萌え諸氏はそういった面もネタとして消化しきっているわけで、 
この日ばかりは完全に彼女が主役のお祭りとして楽しめたのではないかと思う。 
これで三回戦での夢の姉妹対戦は実現しないこととなったわけだが、普段仲の良い姉妹が激突して 
どちらか一方を切らざるを得ないというのも辛いもの。ファンとしては苦渋の選択をせずに済んだ 
ことで安堵する心情もあるだろう。(妹の方は翌日の試合で姉をサンタナに擬するようなつれない 
ことを言っていたが…) 

さてその痕勢、サブキャラは全員姿を消し、本丸の柏木四姉妹もこの試合の終了時点で既に千鶴と 
初音を残すのみとなってしまった。どのキャラも比較的早い時期から強敵と当たるような配置に 
なっているのが大きな理由だが、メイン四姉妹だけで考えても二回戦なかばにして半減という事実には 
改めて驚かされる。今日の試合でもそうだったように、誰かの試合には他の姉妹も大抵支援で出てくる 
ので、四姉妹のうち一人でも残っている限り会場から全く姿を消すわけではないのが救いだが。 

一方の秋子陣営。高レベルな撃ち合いの常として、観戦記で挙げた諸々の援護も、どれが試合を大きく 
動かした、という感じはなく、総体として体力勝負に勝ったという印象だ。画像貼り・ネタ振り・ 
支援まとめ等、持久戦には欠かせない方面を長時間にわたって支えた某わかめの壁1氏も、勝利に 
最も貢献した人物の一人として追記しておこう。 
ところで、試合中でも指摘されていたが、秋子陣営の強みは公式設定の欠けた部分を自分の好みで 
埋められる点が第一だろう。有名同人ソフトを通じてもはやオフィシャル以上の共通認識となって 
しまった秋子最強説もそうだし、葉鍵板的には忘れた頃に立っては消える妄想スレに象徴されている。 
基本的には母親属性なのだが、何でもありの妄想によって、そこに留まらない幅のある支持を集め 
られるというところが、年上系には厳しいこのトーナメントで彼女が快進撃を続ける理由では 
なかろうか。 
もう一つの強みは複数のKanonヒロイン陣営からの支援が得られる点だろう。名雪はもちろんあゆ、 
真琴等のシナリオでも彼女が重要な役回りを演じているためで、今回の試合でもこれらのファンが 
応援票を投ずる光景が多く見られた。 

ところが、三回戦の対戦相手はその月宮あゆなのだ。今トーナメント初めてのKanon勢対決となる。 
あゆはメインヒロインだけに桁違いの弾薬を持っており、炉属性との親和性も高い。おそらく 
厳しい戦いとなるだろう。今日の試合でも「彼女はKanonの世界では最強といえど、名雪やあゆが 
相手なら本気を出せないだろう」なんてことを言われていた。 
しかしここまでくれば騎虎の勢い、28歳処女説に象徴される如く、もともと妄想の赴くままに突っ走る 
傾向の強い秋子陣営は、相手が誰であろうとブレーキがかかることはあるまい。 
アニメ絡みでますますネタが増えそうなあゆ陣営に対して、秋子陣営にも意外な補給ルートがあったり 
する。新兵器「しゅぽしゅぽ」は出るのか! 

gnuplot氏作成グラフ


梓227−秋子329で秋子の勝利!!