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松原葵 vs マルチ vs 神尾晴子
通りすがりの解説者だよもん氏による観戦記
<二回戦・Fブロック第4試合  △△ 松原葵 vs △△ マルチ vs  注 神尾晴子 観戦記>

葉鍵板最萌トーナメントにおける奇跡の中でも、間違いなく5本指に入るであろう奇跡
「2001年12月4日葵VSマルチ戦」。 
この引き分け劇によりトーナメント初の三つ巴戦が決行されることになった。 
多くの葉鍵板住人は今日この日を期待し、待ちわびていたことだろう。 
東鳩から松原葵。まっすぐで一生懸命の熱血スポーツ少女。敵はカツサンド。 
さらに同じく東鳩からHMX−12型マルチ。今さらその説明をする必要もない、恐らく
葉鍵ゲーの中で最も知名度の高い伝説のメイドロボ。 
そして新たな挑戦者、Airより神尾晴子。泣きにおいては類を見ない最強レベルの母親キャラ。 
最大激戦区Fブロックの最終戦を締めくくるにふさわしい、豪華な顔ぶれが並んだ。 
リング穴Joe氏の中島みゆき/地上の星で、テンションが高まっていく試合会場。
氏の言う通り、引き分けは許されない。 
入場SSはそれぞれ、母親スレ・晴子さん命氏、葵スレ・琉一氏、マルチスレ・レン萌えだよもん氏が
それぞれ投下。ここまではいつもの流れと変わらない。 
しかし、この三つ巴戦の凄さは普通ではなかった。晴子陣営の究極の最終兵器、
偽晴子氏作成Air・OPムービーがいきなり投下される。このデキが強烈で、筆者も相当に驚かされた。 
SUMER〜AIR編をモチーフに作成されたこのムービーは、ここから先の試合の流れを大きく変えることになった。 

いつものように車軍団台風が去った後には、画像の絨毯爆撃が開始され、瞬く間にスレを埋め尽くしていく。 
そしてまたここで強力なミサイル、両者共演フラッシュが登場。12/4の奇跡を描いた
このフラッシュも投票者の心を捉え、泣く者まで出現。動画の恐ろしさをまざまざと見せつけた。 
それも束の間、今度はマルチ支援のLeafmania氏による「怪獣使いの少年」なる
ギャグフラッシュが投下。さらに間髪を入れず「帰ってきたマルチ」フラッシュ。 
この2本の恐ろしいまでのギャグに心を揺さぶられた者多数。屈指のAA職人・チェき氏が
このメカ沢マルチに激しく反応し、これより先の大きな流れを作る。 
動画支援は時間も手間もかかるが、その比類なき威力には特筆すべきものがある。
それを誰もが認識しなければならなかった。 
動画の陰に隠れることになったものの、琉一氏の葵SS、マルチスレ作成のドール画像&シチュ、
名無しだよもん氏のマルチMP3支援、青色名無しさんだよもん氏のマルチSSなど、
良質の支援が次から次へと目まぐるしく投下されてゆく。 
はっきり言って豪華すぎ、もったいないと言いたくなるようなレベルである。 
これら全てが試合開始からおおよそ1時間で投下されるのだから困ってしまう。
支援者はよほどこの日に向けて準備してきたのだろうと感心してしまった。
職人さんたちの萌えとパワーに改めて敬服。 
この怒涛のような嵐が去った後は、晴子ムービー、マルチフラッシュに心を打たれた者の投票が相次ぐ。
皆、一様にムービーやフラッシュに惜しみのない拍手を送った。 

ここまでの流れはほぼ互角。まさに三つ巴の様相を呈していたのだが、勢いがマルチ側にゆっくりと傾きだした。
きっかけを作ったのは、一回戦でもその異彩さが際立ったレン萌えだよもん氏によるギャグマルチSS。 
パチスロネタ、田舎テレビネタ、花火ネタ、シミケンネタ、笑点ネタと次々に爆撃。
さらに高橋・水無月原理主義者穏健派氏の長編も投下され、勢いを加速する。 
これを受けて葵側は琉一氏、「はじめてのお弁当」、覆面猫氏、名無し坊氏、さらには
一回戦で好評だったファイト!〜葵伝説〜連作が投下される。晴子陣営からは「ちがった空へ」連作が登場し、
舞台はSS合戦となった。 

夜が明け、朝になってもまったくと言っていいほどマターリという言葉を知らない会場。 
支援はマルチ側からなにがしだよもん氏SS、レン萌えだよもん氏の連続SS攻撃。 
晴子側はふじい00氏の「観鈴日記」、晴子さん命氏の「観鈴ちんのお仕置き」SS。 
投票の方も順調に入り、大規模戦であるがゆえの熱気は一向に失われない。 

午後に入ると、マルチ側はチェき氏が始動。はわわ〜なマルチのAAを次々と発表。 
メカ沢マルチがいたく気に入ったようで、氏の言葉を借りると「しつこく・さらにしつこく」
AAを投下している。 
このAAが大好評。笑いにつられて投票するものが続出。さらにマルチ側は
「犬さんなでなで」連作SS、青色ななしだんだよもん氏。 
対する葵側はだめだめだよもん氏、ファイト!〜葵伝説〜連作、石氏「チャレンジャー」。
特に〜葵伝説〜はものすごい量の連作となり、この試合で最大規模のものになった。 
晴子側はNIC氏の長編、晴子さん命氏「授業参観」「青空の想い」と投下されていく。 
そうして投票締め切り時刻はせまってゆき、名無し子氏、へぼへぼなんだよもん氏
「メイドさんで行こう」、はね〜氏、ふじい00氏とSSが怒涛のように続いて、凄まじい熱気と共に終了。 
結果はマルチ373票、晴子289票、葵213票となり、マルチが因縁の三つ巴戦を制して、
三回戦に駒を進めることになった。 


<二回戦・Fブロック第4試合  △△ 松原葵 vs △△ マルチ vs  注 神尾晴子 分析>

とにもかくにも、凄まじい試合であった。支援の質・量ともに、これほどの規模で投下された試合はまずないだろう。 
特に動画系支援は他を圧倒しており、今後の支援手法に与える影響は大きいと思われる。 
まず勝ったマルチ側の分析だが、最初に共演フラッシュ、Leafmania氏のギャグフラッシュ2本で流れを引き寄せているのが大きい。 
これらフラッシュのおかげで、晴子ムービーによる圧倒的パワーを押さえ込むことができた。 
それを継承するようにレン萌えだよもん氏のギャグSS。未明〜正午までマルチ勢を引っ張っている。 
そしてそのバトンをチェき氏が受け取る形でAA投下。これが最後の最後までマルチ票を集めた。 
このように見事なまでの連携により、理想的な形で試合を進めたのが勝因であろう。 

晴子陣営はなんと言っても母親スレの二人、偽晴子氏のムービー、そして晴子さん命氏のSSが大きい。 
もし偽晴子氏のムービーがなかったら、晴子はここまで票を伸ばすことができなかっただろう。 
浮動票をまとめてかっさらう力が、あのムービーにはあった。 
葵側は、SSで他陣営を圧倒しているものの、これと言った決め手を欠いた。 
特に一回戦でも力を発揮したファイト!〜葵伝説〜は優秀な作品だけあり、残念な結果である。 
しかし、支援自体は素晴らしいものであり、ただマルチ&晴子陣営の手法が傑出していただけと言えよう。 
葵側もよくがんばったことは疑いようもない。 

結局のところ、葵・マルチどちらにも属性を感じる者たちが、支援によってマルチに投票したことが結果として出た試合だった。 
「葵ちゃんごめん」の声が数多く聞かれたのも、そんな理由によるものと思われる。 

勝ったマルチは三回戦に進出。相手はこみパNo1の長谷部彩。 
マルチのほうが若干有利ではあるだろうが、何にもしないで勝てるような生易しい相手ではない。 
今回活発な動きを見せた支援母体であるマルチスレがどのように対応するのか、 
またどのような職人がどちらの陣営につくのか見所となるだろう。 
最大難関Fブロックを制するのは誰なのか。よい試合を期待したい。 

gnuplot氏作成グラフ


晴子289−葵213−マルチ373でマルチの勝利!!