ブロックファイナルへの切符をかけた対戦。大激戦となった第１試合と同様に、第２試合 
も熱戦が予想される。彩は作品内人気でトップクラスの実力者。１回戦では雀鬼のフラン 
ソワーズを、２回戦では同郷の御影すばるを堅実に打ち破ってきた。戦術の核となるのは 
良質の画像群である。特有のデザインは今でもエロゲーの主流の一角として人気があり、 
特に黒長髪の彼女のビジュアルは破壊力抜群だ。また妄想系のキャラネタスレを保有して 
いることからその手のＳＳも得意であり、正統的ＳＳも含めると支援の幅が広い。 

もう片方の対戦者であるマルチも作品の看板という人気者。作品自体がエロゲー界を席巻 
したこともあり、その界隈を代表する萌えキャラだと評価する見方もある。ただ｢ブレイ 
クしてから月日が経ち今や全盛期ほどの勢力もない、強豪揃いのＦブロックでは勝ち進む 
のは苦しいのではないか｣、トーナメント開始当初はこうも囁かれていた。しかしこの懸 
念も一回戦での引き分け劇によって払拭しており、逆に黄金時代に戻るような勢いとなっ 
て、今や完全に本命キャラの地位を確立している。また、この東鳩対こみパの構図はブロ 
ック準決勝の初戦である、神岸あかり対大庭詠美戦の再来でもある。彩が雪辱を果たすの 
か、はたまた東鳩の連勝となるのか、注目である。 

慣例のリング穴氏のコールの後、双方陣営とも入場ＳＳがピシッと決まり試合開始。レス 
番９５０も近いこともあり、最初の掴みは画像の出し合いで牽制しあう。本格的な支援は 
スレ移行後から。先手を打ったのはマルチ陣営で、意外と無い画像をカバーすべくFlash 
やＳＳを投下して攻める。ＬＭ氏作成のマルチ支援Flashは二回戦の続き物で、内容はメ 
カ沢君のパロディでありなかなか凝った作品。評判も良くスレを盛り上げる。ＳＳを主導 
したのはレン萌えだよもん氏で、特に炭酸飲料ネタは後々の伏線ともなる。また超タモリ 
氏のコミカルな音声支援も支持を得て票の獲得に成功する。多少遅れをとった彩陣営は開 
始一時間半辺りから得意の集中画像投下で巻き返しに出る。画像攻勢を指揮していたのは 
妄想スレの住人であろう名無しさん(ID:OIs35wu2)で、OIs35wu2氏は支援を纏めるサイト 
まで用意するという徹底ぶり。さらに妄想術を駆使して彩を勝利に導こうとする策士でも 
ある。またＲ126-246氏の正統派彩萌えＳＳ｢スランプの理由｣も有効な反撃の一打。さら 
に新あさひ萌え氏は新作ＡＡで支援、と陣営に勢いがついてくる。序盤戦は固定支持層の 
投票も多く両者は拮抗、03:00の時点で80対78とわずかに彩が２票差でリードである。 

深夜に入っても両陣営とも画像やＳＳを適時投下して支援の勢いは止むことは無い。マル 
チサイドのＬＭ氏が炭酸飲料ネタを受けて即興Flashを作成、相変わらず良い仕事をして 
くれる。琉一氏はマルチ支援ＳＳ｢〜私の魂の場所〜｣を投下、これはマルチが消滅してし 
まう悲劇系の話で参加者の涙を誘う。対する彩サイドからはＲ126-373氏が音声支援を投 
下。･･･内容は伏せるがこれは強力というか反則だ(笑)。さらにこの流れを利用して一気 
に得意の彩エロ妄想トークへ移行せしめたのが、彩陣営の主戦・OIs35wu2氏。タイムリー 
に画像を投下し続けながら母乳ネタや髪ネタ、他にもありとあらゆる妄想シチュを語って 
場をすっかり彩一色に染めてしまう。マルチ陣営もさすがにこのエロエロ路線に乗ってい 
くことが出来ず、朝８時半過ぎにレン萌えだよもん氏がＳＳを投下して流れを止めるまで 
なすがまま。朝の時間では獲得票は互角であったが、一時的にしろ試合の主導権を握られ 
てしまったのは痛く、昼に向かうマッタリとした試合展開では妄想トークの余韻効果で彩 
の方に票が流れてしまう。12:00の時点で128対108とマルチが若干劣勢である。 

午後に入るとマルチは勢いを回復し再び両者拮抗。マルチサイドが東鳩戦恒例になりつつ 
ある｢Go! Tyo! Heart!! RR｣を投下すれば、彩サイドからは同じＲＲ系ＳＳ｢ピコ手対大手 
　誰彼編｣を書き上げて応戦。彩サイドがリードを広げるべく破壊力のある画像を投下す 
れば、マルチサイドのあおいまるち氏、ＬＭ氏、超タモリ氏が支援をつないで牽制。両者 
譲らない白熱した試合展開となる。午後２時を過ぎるとチェき氏がマルチ支援として登場。 
柔軟性のある萌えＡＡを連発して(特に炭酸飲料とアクアシャワーを絡めたネタは秀逸)マ 
ルチに流れを引き込もうとするも、彩陣営のOIs35wu2氏が画像投下と連動させながら萌え 
妄想を語りかけ票の流出を許さない。彼は彩を語たり合えるよう巧妙に場を誘導しており、 
このムードがさらなる支援と票を呼び込んでいる。雰囲気作りは派手さは無く成功するに 
も地道なレスが必要とされる支援方法ではあるが、流れがゆっくりならば効果は大きい。 
不眠のOIs35wu2氏の努力もあってか、18:00の時点で185対160と彩が少し差を広げる。 

さて終盤戦。彩陣営は逃げ切りを視野にいれつつ、彩祭りを楽しむためＲ127-19氏が妄想 
系ＳＳを投下。内容は彩のストーカー性を誇張したものだが、続きの展開を他の参加者に 
求めたことで場は盛り上がる。また本日大活躍のOIs35wu2氏も妄想を夜バージョンに移行 
させて最後の詰めにかかる。逆転を狙うマルチ陣営は持てる画像を一気に放出。この支援 
が投票者を懐古させたのか、はたまた支援量の圧倒効果なのか、徐々に票差を縮める。そ 
れでも逆転するには限界があり、逆に要望に応えたＲ127-19氏の彩ＳＳが投下されると再 
度票は彩に。窮地に立たされたマルチだが、夜９時半辺りからチェき氏が暴走。ＬＭ氏の 
Flashネタ(メカ沢君)とレン萌えだよもん氏が持ち出したDr.ペッパーを題材にしたネタ系 
ＡＡだが、萌えパワーは強く票を大きく呼び込む。この辺りの職人芸、さすがはチェき氏 
である。そしてマルチ追い上げムードのまま試合は終了。結果は308対298で彩の勝利。マ 
ルチは追い上げが及ばなかった。

今日の試合のＭＶＰはOIs35wu2氏に決まりであろう。まず試合開始から試合終了まで不眠 
でトーナメントに参加し続けたことからしてタダ者ではない。さらに投下した画像は160 
枚を超えてる。投下方法も特定時間に集中せずタイミングを計って小出しにした為、常に 
彩の支援画像が出てる状況となって投票者の印象を良くした。また用意しておいた支援ま 
とめサイトは、時間の無い投票者にとってはありがたかったであろう。しかし本当に凄か 
ったのは絶えず彩妄想を発信したことである。この妄想が彩萌えの人に話題を提供し、そ 
こから生まれる会話でこみパ未プレイ層にも彩に対する興味を引き寄せることになった。 
試合時間通してこの力が働いたため、マルチ側から強力な支援が打ち出された時には票は 
流れてしまったが、それ以外のほとんど時間では彩ペースで進めることができ、結局それ 
が彩に勝利をもたらすことになった。策士なんて言ってしまったが(笑)、一日中己の萌え 
を貫き通したOIs35wu2氏には最大の賛辞を送りたい。 

さてブロック決勝に進んだ彩の次なる対戦相手は、こちらも本命候補(あゆ)に勝った水瀬 
秋子。サブキャラながら完璧性と神秘性で多くのファンを持つ強豪だ。彩にとっては初の 
鍵キャラ相手ということもあって苦戦が予想させる。しかし今日の試合で実は妄想好きな 
人間が多いということが判明した。彩好きの人々が結集して萌えと妄想を語り合いＳＳを 
投下すれば祭りになるだろう。お祭りは楽しいものだし、活気があればおのずと勝利もつ 
いてくるのではないだろうか。彩陣営には対戦相手に怯むことなく是非とも頑張ってもら 
いたいものだ。 

敗れてしまったマルチ。最近威力が高いと注目されるFlash支援や定番の画像・音声・Ｓ 
Ｓ・ＡＡ支援と質の高い応援で奮闘していたが、OIs35wu2氏にしてやられてしまった。序 
盤と終盤に支援が偏って、支援が薄くなってしまった朝から昼過ぎまで流れを失ってしま 
ったのが敗因であろう。この時間帯の投票者の｢ヲタクが薄情なんじゃない、時の流れが 
残酷なだけだ｣という言葉が勢いの差を物語っている。とはいっても支援はどれも独特に 
凝っていて本当に面白いものばかりであった。特にＬＭ氏のFlash、琉一氏のＳＳ、チェ 
き氏のＡＡが好評。また支援者同士の連携性もよかった。 

マルチにとっては残念な結果になってしまったが、それでも本トーナメントで得られたも 
のは大きいだろう。一回戦での奇跡とも言うべき引き分けには多くの人が感動し、マルチ 
への萌えの原点回帰が起きた。そして巴戦や今日の試合では多くのマルチを愛してくれて 
いる支援者に恵まれ幸せな戦いができた。予想の格付けの低さからもわかるように開始当 
初は不遇な扱いな彼女ではあったが、今は萌えの第一人者として誰しもが認めることであ 
ろう。確かに時はあらゆるものを忘却の彼方へ飲みこんでしまう。一時代を築いたマルチ 
とてその例外ではない。しかし萌えに励むことを止めぬ人々がいればそのキャラは確実に 
生き続ける。そして生きているキャラはこのトーナメントのようなきっかけがあればまた 
思い出してもらえる。マルチに萌えている人達には是非とも、子孫にまで伝え継ぐ覚悟で、 
この先も彼女の魅力を語りあって欲しいものだ。