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杜若きよみ・白 vs 三井寺月代
勝手に改説氏による観戦記
<一回戦・Hブロック第1試合     杜若きよみ・白 vs  △ 三井寺月代 観戦記>

 「運命の悪戯」という言葉がよく似合う対戦カードと言えば、誰しも思い浮かべるのが 
Fブロック最終戦の葵vsマルチだろうが、この一戦はある意味それ以上と言える。 
 誰彼陣営同士の潰し合いと言うだけでも痛いのに、その組み合わせが事もあろうに杜若 
きよみ・白と三井寺月代。真のヒロインvsメインヒロイン、加えてネタバレ承知で書くと 
この二人は遺伝子が同じだったはず。 
 早い話が、かぶりまくりなのだ。性格は全然違うけど。 
 更に、ゲーム自体の知名度が高くない分キャラの知名度も低く、応援次第でいくらでも 
属性や萌えポイントが変化する可能性あり。なので試合の展開も勝敗も予想が付かない。 
 唯一想像がつくのは、投票数は少ないだろうな、という程度。はてさて、その顛末は。 

 リング穴氏の口上と共に試合会場は……出場者の支援ではなく名雪車狩りで盛り上がる。 
今日はいつにも増してハンターが多く、凄まじい数の攻撃の中、派手なAAと共に現れた 
解説者私設後援会@ケーブル氏が見事に本物を狩ってのけた。と、プレッシャーから解放 
されたと名雪車氏から安堵のカキコ。人気者は色々と大変らしい。 
 一方で真面目な投票は、開始直後は両者ともほぼ同数。だが、R66-349で仮面付き月代 
の自作画像が貼られると流れは一気に月代側に傾く。白きよみ側もハカロワネタで反撃を 
試みるが、月代側から更に画像が放たれてはほとんど効果無し。 
 中でも強力だったのが、R66-435であがった月代お風呂画像希望の声に応え、次の436で 
窓際アルター使い@ADSL氏によりアップされた絵。一見ゲーム画像に見えるが、実は窓の 
外から覗いてるのが岩切ではなく田代某という時事ネタ含みの一撃だった。 
 一方、男女問わず誰彼キャラに支援を投下し、今や誰彼陣営の守護神と化した感のある 
麗子戦254氏は、本日は小休止の模様でゲーム絵改造物を1枚と月代AAを一つ投下。 

 双方とも誰彼陣営のせいか、支援画像のアップが一通り終わると試合会場はマターリと 
誰彼雑談スレとなる。 
 誤爆投票に対し「その人は時間(とき)を越えて投票しに来た」とゲーム宣伝風味のレス 
で切り返したり、物語の中での立場を的確に説明しただけなのに何故か読んでいて笑える 
キャラ説明文がアップされたり、誰彼のお薦めポイントを問われて「シナリオ以外全て」 
というレスが事もあろうに複数出たり、書き込み数は少ないなりに楽しい雰囲気を維持し 
たまま朝を迎える。 
 さすがに支援の差が出たか、朝6時半の中間報告では58vs13で月代リード。 

 で、それから12時間過ぎた午後6時の時点では74vs21。 

 この得票数の変化を見ての通り、マターリ度はこれまでの全試合の中でも最高レベル。 
この状況を打開すべく超先生が動きだし、いつものAAがスレに登場したのだが、それも 
ほとんど無視されて迎撃されたのはごく一部、と言うぐらいに静かな状況。 
 ゲームのタイトルに敬意を表した訳でもあるまいが、場がたそがれていた。 
 終盤になっても支援、投票ともあまり無し、でそのまま何気なく試合終了。94vs34 
で月代が勝利した。 
 両者の得票数合計は128で、これはショップ屋ねーちゃんvsユンナ戦と並ぶ最小タイ 
記録だったりする。仮にもヒロイン対決だったはずなのだが。 


<一回戦・Hブロック第1試合     杜若きよみ・白 vs  △ 三井寺月代 分析>

 同じゲームのキャラ、しかも格という面でもほぼ同等、と言うわけで支援の数がそのま 
ま勝敗に結びついた試合だった。 
 で、登場シーンの多さ故に支援ネタも作りやすかった月代が勝った、と言う所か。まぁ 
それでも絶対数はあまり無かったが。 
 白きよみについては「黒の方が好き」という声があったが、出番の多さとゲーム内での 
性格の濃さからして、ある種無理からぬ所であろう。 

 しかし誰彼という作品、改めて考えてみると支援活動がしづらい雰囲気がある。 
 まず原作シナリオがイマイチなので、AIRやONEなどでよく見られる原作発展型の萌えは 
どうも追求しづらい。一方で基本的にシリアス系なので、謎ぢゃむや殺人料理の如く原作 
のイメージを残しつつ笑いを取るような変化球的支援もやりづらい。更に雰囲気がライト 
ではないから、いじめっ子三人組が見せたような何気ない日常生活の中の萌えを追求する 
のも何かが違う。 
 すると最終的に、支援のスタイルはどうなるか。 
 原作のイメージをおちょくるかぶっ壊すかしてシュールな笑いを取る、ぐらいしか残ら 
ないのである。 
 現にこの試合で投票者達に高い評価を受けた応援作品もギャグ系だったし、麗子戦254 
氏が過去に放ったネタも、男トーナメントで活躍する誰彼男性陣のパワーの源もそうだ。 
 この視点から見ると、白きよみより月代の方が「壊して遊ぶには向いている」。 
 出番の多さに加えてこの辺もまた、支援作品が月代方面に集中した要因では無かろうか。 
おしとやかなお嬢様は、馬鹿笑いを誘うような支援にはどうも使いづらいのだった。 

 つまり月代は、結局の所原作の萌えでも支援の萌えでもなく、笑いで勝ったようなもの。 
実際に萌えて投票した人には悪いが、試合の流れを決めたのは「ネタ」であった。 
 しかし、そうなると。 
 問題は、2回戦で月代が当たる相手である。 
 同じく誰彼陣営の砧夕霧、通称凸。あるいはソーラレイ。 
 最萌トーナメントでありながら支援はほぼ全てお笑い系、そしてそのネタ攻撃で正統派 
の萌えを跳ね返して勝利をもぎ取った、掟破りのキャラである。 
 激しく下克上の予感がするのは私だけでは無いと思う。 
 月代は厳しい選択を迫られる事になるだろう。原作の持つイメージをあえて踏み越えず、 
あくまで正当の萌えを追求するか、あるいは開き直って笑いに走るか。 
 前者は原作シナリオの限界という障害が立ちはだかり、後者は相手の方がいじり甲斐と 
いう点では格上である。つまりどっちにしても厳しい戦いになりそうだ。 
 と言うか、仮にもメインヒロインが何故こんな事で悩まねばならぬのだろうか(笑)。 

 最後に、この一戦について投票者の一人がつぶやいた言葉をここに上げておきたい。 
「考えてみれば、あゆ×名雪、あかり×マルチに匹敵する好カードなんだよな…… 
ゲームがゲームなら(w」 
 アーメン。

gnuplot氏作成グラフ


白きよみ34−月代94で月代の勝利!!