戻る

神奈備命 vs セリオ
勝手に改説氏による観戦記
<一回戦・Hブロック第8試合  ○◎ 神奈備命 vs ◎▲ セリオ 観戦記>

 総勢128名が参戦、試合数127を数える最萌トーナメントも、いよいよ折り返し地点。 
 全キャラ中最後に舞台に登場するのは、攻略不能でありながらヒロインをも上回る人気 
を誇る、脇役を超えた脇役二人である。 
 AIRより神奈備命。千年に渡る物語の始まりにして、巨大な力と無限の知識を誇る翼人 
の末裔である。彼女が辿った旅路、そして悲劇の運命に思いを馳せる時、神奈に萌える者 
はその一見わがままな立ち居振る舞いの中に何を見るのか。 
 東鳩よりHMX-13セリオ。来栖川の誇る最新型メイドロボ。サテライトシステムで世界の 
英知を自在に操る彼女は、しかしデータの集合体。人間と機械を隔てる壁に思いを馳せる 
時、セリオに萌える者はその無機質な瞳の奥に何を見るのか。 
 タイプこそ全く違えど、共に人ならざる身ゆえのドラマを持つ両者の戦いは、一回戦の 
最終試合と言う事もあり非常な盛り上がりを見せる事になる。 

 フシアナトラップも沈静化し画像投下に不安が無くなってきた事もあり……もっとも、 
仮にトラップが残っていても両陣営の萌えは止まらなかったろうが……開始早々から支援 
画像の猛爆が開始。ここで物量に勝ったのはセリオだが、お絵かき掲示板の不足ゆえに、 
投下画像がすぐ見られなくなると言う副作用も発生した。神奈側はこれをうまく回避して 
少量ずつ投下する作戦を展開、物量差の影響を最小限に食い留める。 
 一方、SSはレン萌えだよもん氏のセリオ入場連作、R72-766〜768がある程度で、あと 
は既存サイトへのリンクが主体と少々地味め。まぁ開始直後は仕方ない所か。 

 序盤戦で印象に残ったのはR72-792にて六@氏が投下したセリオ支援FLASH画像。大きな 
のっぽの古時計のテーマと共に展開される切なさ炸裂の動画に萌やされる者が続出した。 
 スレが移動してR73、支援よりも投票の中で萌えを語る姿が目立つ。そんな中、画像に 
紛れてR73-40で未完のFLASH2番の文面、70で神奈支援の祭り風味MIDI、106-108で神奈の 
ちょいえっちSS、117でSS総合スレのセリオSSへのリンクなど、次第に多彩な支援 
が投下され始めた。神奈が某ちゃんさまに似てるという話題で盛り上がったかと思えば、 
いきなり仏氏がセリオ支援に降臨したり、ほんとに今日は平日なのかと疑いたくなる程の 
盛り上がりを維持したまま夜が明ける。 
 朝方、セリオ陣営に流瀬氏降臨。もうなんつーか豪華豪華。有名どころのセリオSSの 
話題も出て、どうやら支援物資はセリオ陣営優勢。しかし神奈陣営も狂歌ネタ等で食らい 
つく。 

 午後に入り、R73-511〜514で変化球型の神奈支援SSが投下。神奈にエロゲをやらせる 
という新たな側面を切り開く。R73-703では、はね〜〜氏のAIR ARTWOKSネタも飛び出し、 
画像の少なさをSSとアイデアでカバーしようという意気込みを伺わせた。 
 途中泥仕合になりかけた一幕もあったが、両陣営とも萌えの矜持にかけてこれを全力で 
阻止。R73-685の頭を冷やせ画像の効果も大きかった模様(笑)。ともあれ両者とも、勝利 
よりも大切なものを見据えて応援合戦を続ける。 
 セリオ陣営からはR73-751にてAA付き日常会話SS、789〜801にFLASH画像補完のSS。 
神奈陣営からは828〜829にて悲劇の母・八百比丘尼お笑いSS、スレが変わってR74-78〜 
82で随身なんだよもん氏のやはりお笑いSS。画像の嵐と並行して、両陣営とも気合いの 
入った支援が投下され続ける。 
 そして終盤。ラストスパートの中で、R74-387以降に「おじいさんのセリオ」に感謝氏 
から両者共演SSが投下。これが示す通り、両陣営とも勢いは凄まじい物の雰囲気的には 
マターリ風味で推移した。 
 最終結果は神奈462vsセリオ579。投下画像が両陣営合わせて350を越える激戦 
の果てに、二回戦に進出したのは来栖川のハイテクだった。


<一回戦・Hブロック第8試合  ○◎ 神奈備命 vs ◎▲ セリオ 分析>

 気が付けばとんでもない得票数になっていたこの試合。攻略可能か否かでキャラを分類 
する事の無意味さを思い知らされる結果となった。 
 なお、荒れかけた時に流れを戻そうと頑張った者が多かった事は敬意に値しよう。結果 
として職人が最後まで奮闘できる土壌が整い、この試合は一回戦最後を飾るにふさわしい 
熱戦となった。全ての参加者に感謝の気持ちを送りたい。 
 そして、その背後で支援画像のトラップ確認を怠らなかった安全委員会にも。 

 この試合の中で興味深かったのは神奈に対する支援である。試合開始前に「神奈備命」 
を「カーナビ命」と読んでのけた事を初め、ラフィール殿下がどうとかいうカキコも多く、 
観戦記に書いた通り試合中も変化球な支援が多く投下された。 
 AIR陣営は原作に萌えた、やれば分かる、の繰り返しばかりで見てて面白くないという 
声が一部で見受けられていたのだが、どうやらトーナメントを通じてそれも変化してきた 
模様である。職人は日々精進し、新たな萌え表現手段を身につけているのだ。 
 元々直球の威力は文句なしの作品だけに、支援が多彩さを増したらその破壊力は推して 
知るべし。今後のAIR陣営、並びに鍵陣営の動きには要注目かも知れない。 
 なお、神奈陣営の支援画像には神秘的に美しい物が多数あった事を付記しておく。神奈 
というキャラは確かに神秘の固まりであり、その魅力は十分に伝えられただろう。 

 そして、その神奈を持ってしてもうち破れなかったセリオ。 
 そもそも彼女はマルチシナリオのちょい役で、出番はいじめっ子三人組より少なかった。 
つーかあかり編の矢島、志保編のはしもっち程度の存在でしか無かったのである。 
 それがここまで辿り着いたのは二次創作あってこそ。彼女は妄想によって「補完」され 
たのでは無く「創造」されたと書くのが正しい。二次創作の爆発が無かったらドラマCDは 
作られただろうか。 
 そのパワーが遺憾なく注ぎ込まれたのが今回の戦いであった。とにかく画像・SS共に 
神奈陣営を物量で上回り、FLASH画像にAA付き文書など多彩さも見事なもの。その内容も 
完全ギャグから超泣ける物まで変幻自在で、さすがに歴史の厚みを感じさせた。 

 しかし、セリオの勝因はそれだけではないと思う。 
 このトーナメントは様々なキャラが萌えを競い合っているが、その結果として「今まで 
萌えなかったキャラに新たな萌えを感じる」のと同時に「かつて感じていた萌えを改めて 
思い出す」という効果がある事を無視するわけに行かないだろう。 
 そう。 
 トーナメント開始前は、ToHeartは過去のゲームという扱いを受けていた。 
 しかし今は違う。少しずつ、だが確実に全盛期の輝きを取り戻し始めているのである。 
特にマルチと葵が奇跡の同着を成し遂げて感動を振りまいたあたりから、その流れが加速 
しているように見える。 
 過去の記憶の呼び覚ましは東鳩に限った話ではないが、これが他陣営にとって何を意味 
するかは言うまでもあるまい。ここでは、あえて他陣営の奮起を期待しておく。 

 これから二回戦に入り、戦いは更に激しさを増す。 
 全ての陣営が更なる萌えを追求し、愛するキャラの魅力をとことん引き出す事を期待し 
つつ、本観戦記の筆を置かせてもらおう。 
 葉鍵板最萌えトーナメント、中間地点突破! 

gnuplot氏作成グラフ


神奈462−セリオ579でセリオの勝利!!