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砧夕霧 vs 猪名川由宇
快説者だよもん氏による観戦記
<Hブロック準決勝第1試合     砧夕霧 vs   △△ 猪名川由宇  観戦記>

 このトーナメントも終盤戦に差し掛かっているが、地力を発揮して勝ち残るキャラクターと、新た 
な萌えが作り出されて勝ち残るキャラクターに大別されるだろう。由宇はどちらかと言えば前者に含 
まれるだろうが、支援もしっかりとなされている。対する夕霧は…少なくとも前人気はほとんどなかっ 
た。かといって萌えを引き出しての勝利でもなく…笑いを引き出しての勝利だった。かなり特異なキャ 
ラではあるが、それでもここまで残っているのだからその支援の力は侮りがたい。 
 萌えという点では、やはり由宇に軍配が上がるだろう。しかし、トーナメント参加者の誰もが夕霧、 
というか凸の支援に期待をしている。ここまで参加者の期待を背負ったキャラが他にいただろうか? 
投票は支援次第。まさにそんな試合が始まろうとしていた。 

 前の試合が4票差という結果であったために混沌としていた試合会場、まずR131-178で由宇の入場 
SSが。対する凸からは…186のAAのみ。しかし、ここで早くも爆笑を誘っている。そして試合開始。 
投票先は半々だが、由宇投票者の中には「支援を見ると気が変わりそうなので早めに投票する」とい 
う人も見られる。ある意味正しい選択かもしれない。実際に開始10分の間に数十個の「凸」という字 
があり、凸陣営の気合と由宇派の人の期待までもが見て取れる。 

 そしてR131-264、白雪車α氏により投下された一枚の凸CG。この今までの凸が持っていたイメー 
ジを根底から覆すような萌え画像に、会場は大混乱の様相を示した。「凸に萌えてしまった…どうす 
ればいいんだ。」「こんなの凸じゃねぇ!」「俺の感じている感情は…」など、さまざまな意見が飛 
び交った。兎にも角にも破壊力抜群だったこのCG、『真に萌える砧夕霧』という難題をあっさりク 
リアしてしまった。それでも294、309、322と凸のネタAAが続き、萌えとネタの両刀で攻める理想的 
な展開となった。 

 一方の由宇陣営。凸のスタートダッシュと例の画像に煽られたか、票はそこそこ集まるものの、支 
援が今ひとつ出てこない。R131-324でリング穴Joe氏のバキネタSSが見られたくらい。凸陣営か 
らはAAに改造CGにとやりたい放題の暴れ方。402ではチェき氏が萌えAAを、420では萌え解説付 
きオフィシャル画像を投下している。それでいて441、466、472といったネタAAも忘れない。沈黙を 
続けていた由宇陣営だが、484で画像が投下されたのを皮切りに徐々に画像が出始め、513で近畿人氏 
が最初のSSを。さらに547で爆撃屋。氏が同人誌を投下。前半部分のみの投下だったのだが、その 
内容の良さに後半を求めて某M○を使う人が大量にいたとか。 

 明け方は608で凸の自作CG5枚(ネタ) が投下されたり、618で名も無き闘票者氏による由宇SSが 
投下されたりと一進一退。しかし、朝になってからNajz/PwF氏、近畿人氏がSSを連発。凸には難し 
いSS攻勢を仕掛けてきた。向かえた12:00の時点では153対142とわずかながら凸リード。 

 支援が豊富な凸陣営だが、今度は753で熱血あのね侍なの♪氏によるFlash支援も登場。FFとい 
うわかりやすく、且つ笑えるネタに賞賛が上がる。さらに829、847とチェき氏のAA。「お腹痛い…」 
という凸支援者にはありがたい賛美の声もあった。883に凸支援のまとめがあるのだが、そのAAの 
多さは他のキャラをはるかに凌ぐほど。一方の由宇陣営、1枚ずつの画像支援の中、870で近畿人氏 
のエロSS。これまた凸には難しいエロというジャンルで票ゲット。そしてスレがRound131に。 

 両陣営既出画像の紹介をする中、R131-54でしたぼく兼務氏が母乳SSというピンポイントに狙い 
を定めた由宇SSを投下。一部から大きな声援が上がった。しかし、凸陣営からは82で例の萌え夕霧 
CGを描いたDATE氏の新作が投下。「今の流れはネタじゃなくて萌えだ」との発言もあるほどで、 
投票先も<<凸>>ではなくて<<砧夕霧>>というのが増えるほどの影響を与えた。 

 そして終盤戦。AA支援を続けてきたチェき氏が壊れ始め、それに伴い凸陣営全員がお祭り状態。 
そんな中でも黙々と萌えを訴える由宇陣営。その願いが伝わったか、「凸には笑わせてもらったが、 
萌えという意味ではやはり由宇ではないか。」という書き込みが21時前後から増え始めた。この辺 
りでは凸陣営は静かで、由宇の勢いに押されている感じ。その後もR131-231で総合車両所氏、374で 
名無したちの挽歌氏のSSが投下され、由宇の押せ押せムードは変わらない。結局そのままの勢いで 
試合終了。終盤で引き離した由宇が273-322と49票差をつけての勝利。 


<Hブロック準決勝第1試合     砧夕霧 vs   △△ 猪名川由宇  分析>

 さぁ、あなたはこの戦いに萌えを発見する事ができただろうか? 

 私が1回戦の解説で指摘した「真に萌える凸」を見事に表現したDATE氏。敗れた凸陣営とはい 
え、文句なしでこの戦いのMVPだろう。DATE氏の絵があったからこそ、この戦いのモチベーショ 
ンが上がったとも考えられる。萌えに、ネタに。凸陣営、もしくはの人は相当満足できる試合だった 
のではないだろうか。そして、そのコンボ使用者に競り勝った由宇。終盤の票を見る限り、萌えとい 
う点で(あの凸CGよりも)一歩前に出ていたようだ。こみパと誰彼という、原作のメジャー度で勝っ 
ていたのが、微妙に影響したのだろう。某シナリオライターの呪いもあるかもしれないが。 

 とはいえ、砧夕霧。終盤の息切れがなければ勝利もあったのではないか、と思わせるほどの支援の 
濃さは相手陣営も呆然、というか腹を抱えるものだった。(もちろん褒め言葉) そこにDATE氏の 
絵。これ最強。自分も長い事このトーナメントを見ているが、一枚の絵でここまで反響を呼んだ例は 
過去にはなかっただろう。今まで、こんな会話がなされた事があっただろうか? 
「俺にとって由宇は燃えなので<<凸>>に一票!」 
「お前にとって本当に凸は萌えなのか?」 
「あぁ、今夜は萌えたね。凸に萌えたね。」 

 負けてはしまったが、「凸は萌えキャラの側面を持っている」というイメージが観戦者にできてい 
たとしたら、それだけで上出来であろう。「単なる名前の読みにくいネタキャラ」からの大躍進だ。 
 これで誰彼勢は全て散ってしまったが、良くも悪くも様々なイメージを作ったであろう。このトー 
ナメントの影響で誰彼を購入したという人も数人はいるようだ。その発端の一部は凸が担っているの 
ではないか…と考えた自分も誰彼に毒されているのだろうか。 

 勝った由宇だが、試合の流れ的に終盤を除いてかなり押されていただけに、完勝とは言いがたいも 
のであろう。しかし、前半にあれだけの勢いを誇った凸相手に、もっとも差のついた15:00の時点でも 
18票しか差をつけられていない。笑いの地雷原の中、確実に支援を投下していたのが効果的だったよ 
うだ。また、由宇はもともとネタ色の濃いキャラでもあるのだが、今回はそれを前面に出さない作戦 
が功を奏した。凸にネタで勝負しても仕方ないから、ひたすら萌えをアピール!という陣営の好判断 
が実った印象を受けた。 

 次の試合は東鳩最強のサブキャラ、セリオ。このトーナメントでトップクラスの支援陣営を持つと 
評判のキャラ。サブキャラならではの、その2次創作の内容は特筆モノだ。沈着冷静のロボット対筋 
金入りの関西人。全く違った性格の持ち主であるために、どんな試合になるのか楽しみだ。ただ、最 
近のサブキャラ人気の高騰を考えると、由宇には厳しい闘いになるかもしれない。しかし、この試合 
で出せなかった、ネタという一面もアピールすれば勝機は十分に考えられる。萌えとネタの二面性を 
持つキャラだけに、頑張って欲しいものだ。 

gnuplot氏作成グラフ


夕霧273−由宇322で由宇の勝利!!