最萌トーナメント 入場SS集(決勝)
- 226 :幕間SS・試合前の風景 :02/03/08 21:01 ID:Ui3nc1uK
- 試合場。
数日ぶりの試合。最後の試合。
観客席はすでに、観客で賑わっている。
まあ、この試合場は24時間オープンなので、前の試合から居残っている観客だっているわけだが……
観客のざわめきが、次第に増してゆく。
観客席の下、支援者用創作スペースでは、大勢の支援者が不眠不休で「武器」を作り磨き上げている。
ある者はSSを、ある者は画像を、ある者は動画を…
両「陣営」は、支援について打ち合わせを繰り返す。その顔はみな、真剣そのもの。
試合が近づくにつれ、高まるテンション。
集計人ブースは、まだ人はいない。明日のこの時間には、そろそろ地獄のような時間がめぐってくるのかもしれないが。
舞台の上は、掃き清められている。最後の一戦を待つ、聖域。
テンプレは用意万全。スレ立て人が並んでスタンバイ。いつでも舞台は、戦闘可能状態を保つ。
リング穴嬢は原稿チェックとメイクに余念がない。あと3時間足らずで最後の大任を果たすために。
かあん。かあん。かあん。
かあん。かあん。かあん。
かあん。かあん。かあん。
鐘が九つ。九時を知らせる。
運命の試合まで、あと、三時間。
- 490 :演説者さんだよもん ◆AkariD/Q :02/03/08 23:04 ID:Exu5H3Ni
- 2001年10月14日このトーナメントは始まった…
そのトーナメントは日に日に規模が大きくなり
今この決勝戦を前にして、こんなにも大きな規模になった。
128人と言う大規模な1日1殺のこの試合…
それも後残るは1試合、この決勝を残すのみとなった…
そう、この試合によって葉鍵板の最萌女王が決定するのだ……
そしてその開始の時間まで刻々と時は近づいてゆく…
ああ!女神よ!!
あなたはなんて辛い選択を我々に与えたのだろうか!
どちらを選べばよい!どちらを涙してあきらめなければならない!
これが運命だというのか!!
ならば我々は決めなければならない!
数々の者達を倒してきたこのヒロイン2人のどちらかを!
涙をのんで!どちらかに投票しようじゃないか!!
さぁ!支援者よ!!準備は出来ているか?
己のそのキャラに対する萌えをアピールする準備は!
まだ悩んでいるものたちよ!まだ悩んでいていい!
後悔をするより!最後まで悩んで決断した方がいいはずだ!
そしてこの試合を歴史に残るものとしようではないか!
さぁ!いよいよこの長き大会に幕が閉じようとしている!!
どうか、このヒロイン2人に幸あらんことを!!
葉鍵板最萌トーナメント決勝戦
倉田佐祐理 VS
柏木千鶴戦を
開催する事をここに宣言する!!
- 496 :幕間SS・試合前の風景2 :02/03/08 23:07 ID:Ui3nc1uK
- ざわ、ざわ
ざわ、ざわ
場内、ざわめきは大きくなる。
観客席、かなりが埋まってくる。
音楽が複数チャンネルで流れる。DJ炉帽の不在を埋めようと、奮起したDJたち。
同時刻、場外中央入口。
二台の黒塗りの車が、相次いで横付けにされる。
ドアボーイががちゃりと扉を開ける。
降りてきたのは、柏木千鶴と、倉田佐祐理。
「あら」
「こんにちはー。今日はいい試合を」
「ええ、いい試合を」
短く会話を交わし、会場に入る。
一瞬、試合前に似つかわしくないくらい、まったりした雰囲気。
「ただいま、倉田佐祐理嬢、柏木千鶴嬢、会場到着です!」
うおーッ!と湧き上がる歓声。
会場の興奮が、一気に高まる。
かーん、かーん、かーん、かーん、
かーん、かーん、かーん、かーん、
かーん、かーん、かーん
鐘が、11打。23時を告げる。
運命の試合開始まで、あと、1時間を切った。
- 585 :敗者たちの決勝戦 :02/03/08 23:30 ID:ecBu6Tg8
- 繰り広げられた死闘。敗れ去った、126人。
ある者は会場で、自分も一度は見を投じた戦いの最後を見届けようと、
観客席に陣取り試合開始を待った。
そしてまたある者は日常に戻り、今までどおりの生活の中で、この日を
過ごそうとしていた。
・・・が、しかし。
一度、トーナメントの舞台の上に上がった者は、その熱き思いを忘れる
ことは不可能だった。
『急行銀河、東京行き、まもなく発車いたします。お見送りの方は・・・』
ブロック決勝まで進出し、こみパ勢最後の一人として戦い抜いた彼女、
猪名川由宇もまた、一度は後にした会場へと夜行列車に飛び乗った。
萌えと燃え。自らの同人誌への想いを象徴するキーワードを体現しようと
する二人の女性、そしてそれぞれの熱き思いをぶつけ合う、両陣営の支援者
たちの最後の戦いを見届けるために・・・。
闇を突いて走る夜行急行、その旅路の果てにたどり着くのは熱き戦いの舞台・
”葉鍵板最萌トーナメント決勝”。
最後の試合開始まで、あと30分!
- 587 :〜最萌トーナメント決勝プロローグ〜 :02/03/08 23:31 ID:0aOv6CyV
- いよいよ決勝ですね。オープニングSS作ってみました。
(F1のオープニングを想像してくださいませ)
〜2001.10.14 1:10a.m〜
とある一つのスレッドが生まれた。
最初はクソスレだと埋め立て、sageラッシュの書き込み・・・
最初はたった15人だった出場者の芽・・・
しかしその小さな芽は多くの名も無き共感者の目に留まり、
ついに出場者128人127戦の壮大な対戦表が完成
2001.10.17 23:00p.m その火蓋が切って落とされることが決まり・・・・
そのときある人はいった・・・・・
「127日もかかるが、まあたまにはこういう壮大なネタもありかと。 」
小さな芽はにわかに大木の片鱗を見せ始めた・・・・・
〜2001.10.17 23:02p.m〜・・・・
コードもない、開始時間も2分遅れなど、
ささやかでマターリとした雰囲気の中、動き出した。
当時トーナメントを作りそして参加した誰もが、
「その日」を想いつつ、
「その日」をが来ることはないんじゃないか
という矛盾した想いをを抱えながら・・・・
しかし、一日一殺のトーナメントは「その日」まで駆け抜けたいという想いを
多くの名も無き人々が試行錯誤を繰り返しながら引き継ぎ、
悩み、苦しみ、煽り、荒らし、神々の出現、泣き、笑い、喜び、悲しみ・・・
あらゆる想いを飲み込み、たくさんの伝説を生み出して、5ヶ月前に生まれた
小さな芽は歴史に残る大木スレへと・・・成長した。
そして己の萌えを貫き通した想いが受け継がれた144日間の果てに
ついに「その日」が来た。
誰もが待ち望んだ、そして誰もが終わって欲しくない
・・・・・・・・・・・・「その日」・・・・・・・・・・・・・・
(この辺でT-SQUAREのTRUTHでも想像してくださいな・・古いな)
__________________
2002.9.March
葉鍵版最萌トーナメント
__________________
〜Round169 GrandFinal〜
倉田佐祐理 VS 柏木千鶴
__________________
(試合会場の上空中継シーン)
名「・・5ヶ月に及ぶ己の萌えを賭けて戦った死闘の果てになにがあるのか、
ついにそれの結果を見るときがやってきました。
葉鍵版最萌トーナメント決勝戦、Glandfinal、実況は私名無しアナ、
解説は謎の解説者さんでお送りしてゆきます、謎の解説者さんよろしくお願いします」
謎「はい、よろしくお願いします。ついにこの日がやってきました。来てしまいましたね!
泣いても笑ってもこれが最後、そしてこのトーナメント最後の勝者と敗者が決まる日ですね。
この日を待ち焦がれているも同時にこれで終わりなのかという想いがあります。感慨深いです。
今日はすばらしい萌の好天に恵まれ、まさに絶好のバウト日和です!」
名「さぁ、決勝戦、図らずも鍵からは最強のサブキャラ「まじかる☆さゆりん」倉田佐祐理、
そして葉からは「最強のお・・・もとい、なんとDOS時代からの超老舗「痕」メインヒロイン
そして鶴来屋大御所の柏木千鶴。」
「そしてこれは運命か偶然か葉対鍵そしてメインキャラvsサブキャラという
双方それぞれ異なる萌えの方向を持ったそしてまさに己の萌の雌雄を決する決勝戦というに
ふさわしいカードとなったわけですがどういった戦いが予想されるでしょう」
謎「ここまで来た両者はその実力に甘んじることなく、次はないものとして
全力で萌え尽きた結果、勝ち抜いてきた二人です。
それは決勝トーナメントに入ってからの戦いでわかりますね?
双方とも特に準々決勝、決勝においてはほんのわずかな支援突撃のタイミング、
経験の差がうまく絡み合って勝っています。
ですから、力量としては全くの互角です。
壮絶な激戦となることは間違いないでしょう」
名「そうするとまず勝敗予想はかなり難しいと言うことですね」
謎「戦闘スタイルから比較するに、葉陣営は、設定における天然の資質で
萌えさせる「痕」のメインヒロイン柏木4姉妹の長女、柏木千鶴。」
「支援の苛烈さと狩られ希望の支援者を、そして、萌が揺らいでいる浮動票を
いかにもおいしそうに見せつけられる毒料理アタックをもって一気に狩ってしまう。
毎試合何人も狩られていますが、どこからわき出てくるのか無限とも思える
その層の厚さ、まさに「力」で勝ち上がってきた圧倒的な破壊力がその武器です。」
「対する鍵陣営はは、同人やSSなどサブキャラ故の設定の少なさを想像補完
−萌シチュ−などで萌えを広げた「Kanon」最強のサブキャラ倉田佐佑理。」
「準決勝、みさき戦では対戦者と試合中をも自作のお弁当を食べる終始和やかな雰囲気。
「はぇ〜」「ふぇ〜」FLASHなど、「脱力」によって確実に萌えの心に魔法をかける
まさに「まじかる☆さゆりん」にふさわしい勝ち上がりをしてきてます。」
名「まさに「力」と「脱力」の激突!! ということになるということですね!」
謎「その通りです。見所はやはり出だしと終盤。どちらが支援を確実に
票につなげるかにかかってくるかと思います。
ですが、この勝負どう転がるか全く展開が読めません。
決勝戦ですし、しかも花金〜土曜なので中盤の攻防も大事になってくるでしょう
この試合「勝った」と驕った方が負けます。あえて言うならそれだけです。」
名 さぁ、延べ投票数が4万票以上という前代未聞のトーナメントとなった
最萌トーナメントの決勝戦のわけですが、決勝戦の開始会場となります葉鍵版Round169会場は
すでに超満員のすでに熱気と始まる前から割れんばかりの歓声で
もう、始まるのを待つばかりです。
この番組は、全世界インターネット生中継でお送りしています。
そして、まもなく、もうすっかりおなじみのおなじみリング穴Joe氏の入場アナウンス、
そして各陣営入場SSが入ってくるかと思います!!!
両者入場までまもなくです!!!」
- 665 :リング穴Joe :02/03/08 23:45 ID:cKhEkxVg
- 企画者「葉鍵最萌を夢見てなにが悪いッ!!!」
企画者「葉鍵をプレイし、漢として萌えたからには
誰だって一度は最萌少女だと思うッ!!」
企画者「萌えなどと一瞬たりとも感じたことがないッッ!
そんな漢は一人として葉鍵板には存在しないッッ!
それが当然だ!!!」
企画者「ある少女はCGにてッ!
ある少女はシナリオにてッ!
ある少女はシチュエーションにてッ!
ある少女は萌え職人の力に屈して!
それぞれが最萌の座をあきらめそれぞれの属性に戻った!!」
企画者「長髪 短髪
巨乳 貧乳
ロリ 妖艶
緊縛 アナル」
企画者「しかしッッッ、今夜あきらめなかった者がいるッッ!」
企画者「偉大なる美姫2名!!!」
企画者「この葉鍵で誰よりもッ!」
企画者「誰よりもッ!」
企画者「最萌を望まれたッ!」
企画者「2名ッ!」
企画者「決勝ッッッ!!!」
- 674 :柏木千鶴会場入り直前 :02/03/08 23:46 ID:cDMx8D9T
- もうまもなく、すべてを締めくくる舞台の幕が上がろうとしている。
この一日が過ぎ去れば、空前の熱狂は快い余韻へと昇華されて、この祭典は幕を引くだろう。
華々しいフィナーレが一度しかないのと同じように、終幕を控えたこの夜も一度きり。
――その夜は、『最後の前夜』だった。
〜柏木邸〜
心に静寂の帳を掛けて、柏木千鶴は自分の手のひらを見下ろしていた。
――そこには、当たり前のことではあるけれど、千鶴自身の手がある。
それから部屋の姿見をのぞき込んで、頬に手を当ててみた。
――指先が血の通った素肌に触れる。
薄い桜色の爪と、紛れもない自分の素顔。
――紅く染まっているわけでも、陶器のように冷たく硬直しているわけでもない。
コンコン――とノックの音がした。
ドアを開けると、従弟の柏木耕一が立っている。
「いよいよ最後だね。梓がもう準備はできてるかって気にしてたよ」
「ええ、大丈夫です。準備と言っても、特に用意があるわけじゃありませんから……」
お互いに柔らかい視線を交わしながら、千鶴は従弟の青年を部屋に招き入れた。
千鶴の服装は普段と取り立てて変わらないし、別にめかし込んだりもしていない。
まごつきながら最初の試合に出たときから、ずっとそうだった。
「俺もそう思ったけどね。『あの亀姉ぇの場合、どんなに余裕を持っても持ちすぎってことはない』って…。
あ、これ、俺が言ったんじゃないからね」
おどけたジェスチャーで、耕一は言い訳するように大げさに手を振った。
目と目が合って、どちらからともなく笑いが弾ける。
しばらくしてから、千鶴は感慨深げに目を細めた。
「長かったようだけど、もう明日でおしまいなんですね」
四ヶ月間を噛みしめるように、千鶴の声が過ぎ去った時の表面をなぞった。
懐かしむような響きの底に、その声は微かなためらいの色を帯びている。
忘れていた傷痕に図らずも手が触れたときのように。
「このイベントが始まってから、本当に、たくさんの試合を観てきました。
妹たちの試合もそうですが、見ず知らずの人たちも多かった。
もちろん、私自身が参加した試合もあります」
訥々とそう言ってから、ふと、千鶴は弛緩したように表情をゆるめた。
「でも――そのなかで、私より“想い”の弱かった人なんて、いったい何人いたんでしょうね」
耕一が口を開こうとするより先に、千鶴は独り言のように言葉を継ぐ。
「思い浮かばないんです。ひとりも……」
目を落として、千鶴は力なくつぶやいた。
たとえ千の言葉を費やしても、この四ヶ月間を言い尽くす言葉など見つからないだろう。
――だとしたら、それは俺たちが今やるべきことじゃない。
そっと、耕一は細い肩に手を置いた。
「でも、千鶴さんだってがんばったじゃないか。
みんながお祭り騒ぎをやって、楽しくて、たまたま結果がこうなっただけだよ」
手のひらと肩。触れた部分でお互いの温もりを伝えながら、ふたりの間に時間が流れる。
「もう怖いものなんて、この世にはないと思ってたんですけどね。……えへ」
クスッと笑って、千鶴はペロッと舌を出した。
再び顔を上げたときには、耕一の従姉はもう『一緒にいると安心できるお姉さん』に戻っている。
「私だって解ってるんですよ。楽しい、お祭りなんですから……」
気づかうような耕一の表情に応えて、千鶴は咲きこぼれるような微笑みを見せた。
「もう大丈夫です。“たったいま”、私の準備は終わりましたから」
<――入場へと続く>
- 679 :倉田佐祐理出発SS@うにゅう使い ◆UnyuuX22 :02/03/08 23:46 ID:S9PBvRYS
- 眠れぬ夜を越えて思い立ったように向かった場所………。
上空には、まだ夜を維持しようと残った数個の星が輝く。
桜には少し早いこの季節……我を主張する沈丁花の強い香りが辺りには漂っている。
郊外から離れたこの聖域には他に人影が無く、玉砂利の音が踏みしめる度に鳴るだけで
偶に離れた樹木の影から野鳥の声が響くのみ……… 。
そして禁断の地………胸には二輪の名も無き紅い華………。
立ち止まり向かい会ったモノリスに語りかける。
「おはよう………」
ポツリと呟くが……寒く澄んだ空気に吸い込まれ消える。
「ここを訪れるのは ………久しぶりですね………」
そっと一輪の華を手向ける……。
「あはは、ちょっと逃げ出して来ちゃいました………
このまま、いなく為ったらみんな心配しますよね?」
水面のように磨きこまれた石面に映った冷たい表情を見ながら………
これまでの経過を振り返り思う………新たな出会い………そして別れ………
決して立ち止まる事を許さぬ状況。
「やっぱり、結果が怖いです……ここまで来たのに………もし佐祐理が………
そしたら、今まで応援してくれた皆さんに何て言って良いのか、わからないのです………」
目の前に置かれた華が答えるように揺れる。
「ふぇ〜?強い?そんな………強くないですよ………本当は弱いお姉さんですから………」
胸に残した一輪の華を見つめる………。
「でも、弱いけど………諦めのは嫌いです………」
視界の向こうに白見かけた景色が序々に広がる。
「小さくても良いですから………ここに来て勇気が欲しかったのかもしれませんね………」
遠くの山裾から朝日から出る光の筋が次第に延びて彼女を照らす。
そしてその先から、そっと冷たいかつ心地良い風が吹いて長い天栗色の髪が流れ華が揺れる。
それは姉を心配する弟が声援をかけているように………。
「朝が明けますね………うん………決めました………結果はどうあれ頑張ってみます………
今の佐祐理には舞や祐一さんもいます………今は一人じゃありません……
………お姉ちゃんを見守ってくださいね……」
踵を返して約束の場所へ向かうその横顔には迷いは無かった。
普通の女の娘……。
倉田佐祐理
最萌トーナメント会場へ出発……いや出陣!!!!!
- 697 :サユリハウス出立! :02/03/08 23:48 ID:eLXGgPnD
- 決勝トーナメント当日早朝、ここは三人が暮らすサユリハウス。
玄関には、佐祐理、舞、祐一がそろっていた。
「佐祐理さん、舞、準備はオッケー?」
「はい、お弁当もステッキも、ちゃんと持ちましたよー」
「……いつでもいい」
にこやかに返事をする佐祐理と、いつもどおりの舞
「ついに決勝だね。どう、佐祐理さん?」
「はい、これも支援者の皆さんのおかげですぅ」
「……」
祐一はあらためて佐祐理の顔をじっと見つめる。
「決勝の相手は痕の柏木千鶴さん。葉の最強の一人だから支援者の勢いもすごそうだけど、勝てそう?」
問いかける祐一の前に、舞が一歩踏み出して口を開いた。
「……佐祐理はすごい、負けない」
「いや、俺もそれは信じてるけどさ、なんかこう」
と、佐祐理が二人の間に入る。
「あははー。勝ち負けとかは大事だけど、大事じゃないんですよー」
おもわず佐祐理の顔を見る祐一と舞。そんな二人に諭すように言う佐祐理。
「この大会は、支援者さんたちの萌えがいちばん大事なんですよー。
勝ち負けばかりを言うのは、あまり楽しくないんですよー」
と、佐祐理が表情を少し暗くする。
「って、ここまでいろんな方に勝ってきた私が言うことじゃないかもしれませんねー」
「…佐祐理さん」
「……佐祐理」
不意に訪れた沈黙。それを祐一が打ち破る。
「そんなことないよ、佐祐理さん。佐祐理さんが気に病む必要はないよ。
現に、今まで対戦相手の人とはまったりと付き合うことができてきたじゃないか」
「…祐一さん」
「佐祐理、勝負は時の運。だから仕方ない。私が一番よく知っている」
「…舞」
第一戦であかりに負けた舞が言うと、説得力があった。
「それに佐祐理さんにはそんな顔は似合わないよ、笑顔が一番だ。なあ、舞?」
言って、微笑む祐一。
「…はちみつくまさん」
舞もぎこちなく微笑む。
「…そう、ですね」
目元をぬぐい、微笑を浮かべる佐祐理。
「…ところで、この荷物どうにかなんないかなぁ?」
「…重い」
見ると、祐一と舞の両手には、各々四角い風呂敷包みがぶら下がっている。
「五段重四個も。昨日の夜から忙しげにしてたのは知ってたけど、これどうするの?」
「あははー、今日の対戦相手の千鶴さんのご家族と食べるために決まってるじゃないですかぁー
「妹さんが三人と、従兄弟の方もいらっしゃるそうですから、いっぱいつくったんですよー」
笑いながらで祐一に答える。そこにはいつもの佐祐理がいた。
あきれたような表情の中に少しの安堵を混ぜながら、祐一が口を開く
「はぁー、まあいいや。じゃ、そろそろ行こうか。舞」
「……」 こくっ。
舞は無言でうなずき、祐一と一緒に扉へと向かう
サユリハウスの胸の部分、両開きの扉が開かれる。
祐一、舞が左右で扉を支えるなか、佐祐理がステッキをかかげて一歩踏み出す。
「あははー。では、行きますよー!」
倉田佐祐理、決勝戦会場へ!!
- 714 :千鶴支援者@エリア88 ◆TizuRUoo :02/03/08 23:50 ID:vyfXIG2k
- 千鶴「ハン……残ったのは殆ど千鶴支援のメンバーか!
つくづく阿呆が集まったな……」
千鶴「鶴来屋の会長として……今一度言う!
不利な状況なぞ通り越して……最悪だ!」
千鶴「なぜ……残った!?」
支援者「いわなきゃ信用出来んかい?」
千鶴「もちろん……」
支援者「では……いおう!
あんたの狩りを、是非この身で味わいたいのさ!」
(…………)
支援者「納得したかい? 千鶴さん!」
千鶴「おれに狩られるのはいいが、その代償は高くつくことになる……」
千鶴「お前たちの命で払ってもらうぞ!」
支援者A「覚悟の上だ!」
支援者B「そうだな……」
支援者C「妥当な線だ!!」
ははははは……
あははは……
はははは……
下皮「超先生……
千鶴はいい支援者を持ったな……」
超先生「はい、下皮陛下!」
超先生「様々な要素で支援者たちを萌やしてきたヒロイン達を何人も見ました……」
超先生「しかし……"狩り"で萌やしたヒロインを見るのは初めてです!」
超先生「柏木千鶴は健在です!」
超先生「殉職志願のちづらーたちと共に!」
- 726 :リング穴Joe :02/03/08 23:51 ID:cKhEkxVg
- あゆ、名雪、真琴、栞、そして舞・・・
メインヒロインたちが敗北を知った後も勝ち抜いてッ!
そして遂に究極ヒロインの座を間近に仰ぎ見るここに立つッ!
ここまで来たのは、まぐれでも!くじ運でもないッ!
来栖川芹香!七瀬留美!河島はるか!高瀬瑞希!
神岸あかり!そして川名みさき!!
いずれがここに来てもおかしくない面々を打ち破っての!
そう!喰っちまっての勝ち上がりッッ!!
葉鍵最強のグルメ!ここに至れり!!
最萌サブヒロインから最萌ヒロインへ!残りは一つ!!
鍵最萌のヒロイン!その人の名はッ!
倉田 佐祐理! 白虎の方角より入場だァァァァァ!!!
痕最後の一人として!柏木四姉妹の長女として!
そしてマナ、結花ら貧乳絶望トリオのリーダーとしてッ!!
至高の存在に王手を掛けたッ!!
篠塚弥生!松本!美坂栞!長岡志保!
HMX−13セリオ、そして緒方理奈!!
巨乳貧乳蹴散らして!アイドル、ロボット撃破して!!
いかなる敵をも私は倒すッ!!
貧乳カイザー!ここに至れり!
痕のアイドルから葉鍵のチャンプは!残りは一つ!!
葉最萌のヒロイン!その人の名はッ!
柏木 千鶴! 青龍の方角より入場だァァァァァ!!!
共に姉!共にお嬢様!そして笑顔の下に苦悩を隠すもの同士!
料理!胸!メインヒロインとサブヒロイン!対極の存在同士!
二人の胸に何が去来するのか!?
参加選手128名!126度の死闘を勝ち上がりッ!
最萌の座を争う美姫2人!
今ここに超美人2人がその萌えを競いあいますッ!!
葉鍵最萌トーナメント・ファイナルッ!!
鍵最萌 倉田佐祐理(Kanon) VS
葉最萌 柏木千鶴(痕)
泣いても笑ってもこれが最後だァァァ!!!!
- 778 :死闘 :02/03/08 23:55 ID:49IR/H2f
- 倉田佐祐理は、すらりとおさめていたマジカルロッドを抜きはなった。
「下がってください。誰も手を出さないで」
美しい声がほとばしる。
「試合のなりゆきは、どのようでもかまいません。佐祐理はただ、彼女を倒すためにだけ、ここまでやってきました----場所をあけてください。佐祐理が、栞さんの仇をみごと討ち果たすところを葉陣営も鍵陣営もよく見届けてくださいね」
「一騎打ちさせてくれるのね。望むところだわ」
柏木千鶴は躍り上がった。てへっと額に手を当てて、しかっりと包丁を握り直す。
「いきます。耕一さん」
恋人の首筋を叩き、そっとささやきかける。
「いいですか、気合を入れてくださいね……相手はちょっと手強いわ。あのような高校生なんかに負けないでね」
耕一はブルブルと身震いし、ぶるって答える----この聡明な鬼は、これがどうゆう戦いなのか、すでになんとなく感じとっているようだ。
佐祐理もまた、おのれの漆黒の友人の近くへ駆け寄った。
「あははっー」
これまた、手を繋いでから、永遠の友人の髪の毛をそっとなでてやる。
「神岸あかりさんと立ち会ったあのたたかいのとむらい合戦----いこ。舞」
やさしく声をかけるなり----
佐祐理は舞と、千鶴は耕一と入場を同時に決めた。
「ああっ……」
スレッドの下に柏木梓、楓、初音ひきいる葉陣営の精鋭が、あわてて駆けつけたが、このようすをみて、思わずそこに動きを止めた。
この一騎打ちに割って入ることはできぬ----誰もがはっきりと、そう感じた。葉陣営も、鍵の信者ならなおのこと。
いつのまにか、すべての葉鍵板の動きは止まっていた。
それよりもこの壮絶な深讐綿綿たる因縁の戦いに心を奪われて、すべての両軍の支援者達が。夢中でそちらに目をこらした。
ディスプレイに黒いものが動く----両軍のどちらかの誰かが、戦いやすいようにと、あらたな自作画像を投じたのか、投票がわっと燃え上がり、それがくっきりと葉鍵の上に立つ二人の萌神のすがたを照らし出した。
栗色の髪に緑のリボン、栗色の瞳に激烈な魔力を燃やし立たせるお嬢様倉田佐祐理----そして、一歩も退かじとそれを受けてたつ、長い黒髪をなびかせ、純白の洋服かきらきらと返り血を浴びて光る鶴来屋会長柏木千鶴。
両雄は、ついに、この葉鍵板最萌トーナメント決勝に激突する日を迎えたのだ
- 861 :名雪車 ◆NAyukiTc :02/03/09 00:00 ID:gofRYRoh
- [[LK9-veXlE8G/]]
_ __|| ̄\ _. ┏━┓ __._∩_ ____ \从/ パパーン!!! ´⌒;;
\\〃 ∧へ.|| ̄|| └==○|| || |” | ̄ ̄| 三((〓((━(。゚。) -------- ★★
'(○)ノノノ))〉||_||_三三⊇_..||_||_|” ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /W'ヽ ″`)
ノリゝ´ ∀` ) ⌒` ))
ノ/|名雪 |〜〜
◎ ̄ ̄◎ ころころ〜
わっ…帰ってきて見てみたら、トーナメントのテンプレに
リング穴嬢さんと一緒にわたしが居てびっくりしたよ〜(汗
う〜ん…去年の10/17からずっと投票してきて…
毎日投票して来たけど、今日で最後のの試合だなんて……
トーナメントの結末はどうなっちゃうのかなぁ…?
う〜…わたしの最後の最後の投票は…<<佐祐理>>さんに捧げる事にするよ〜
……最萌トーナメント…最後にはどうか幸せな記憶をだよっ!
当方ADSLだよっ
- 899 : ◆Countsu2 :02/03/09 00:00 ID:OAjUUEEy
- 魅惑のあはは〜お嬢様!Kanonより倉田佐祐理!
鬼の偽善者お姉様!痕より柏木千鶴!
葉鍵板最萌トーナメント決勝戦
「倉田佐祐理」vs「柏木千鶴」
投票締め切りは9日午後11時!ルールその他は>>2-10!
それでは始めッ!